Research Abstract |
同一作業環境内に複数の自律ロボットと人間とが存在する場合,このロボットと人間との協調処理の枠組みを設定しなければ,作業効率は向上せず,人間にとっても非常に危険な作業となり得る.協調処理のためには,相互通信が必要となるが,一般には,人間が,それぞれのロボットに対応する計算機モニタやヘッドアンプディスプレイといった平板な入力情報に耐えなければならず,ロボット群,センサ群さらに人間の動的な増減に対応することは困難である.これを解決する一つの方法として,人間が作業環境内に目印を残すように,それぞれのロボットが処理した観測(認識)結果を直接作業環境上に投影することが考えられる.これにより,ロボット間の膨大な画像データの交換や体人間の通信コストを低減させることができる.本研究は,この考えの下に,先ず複数自律ロボットによる作業環境投影を用いた協調処理を考えたものである. 6角形画像ピラミッドは,内部の7分木構造を利用し,近傍関係更新処理を局所的に実行することができる.画素一つ一つは自律分散個体の最小単位とみなされ,画像処理を複数,並列に実行することができる.カメラを能動的操作するマニピュレータは,より上位の自律分散個体と見なされ、各ロボットの観測(認識)結果を同一画像空間に投影し、環境認識とそのデータ通信を並列に実行することができる。 今回,リアルタイムOS用のコントローラを購入し,本ビジョンシステムに2台のマニピュレータ制御を組み込んだ.この結果,同一の画像空間内において複数のマニピュレータに対応する画像処理を並行に処理し,本手法がn台のマニピュレータに拡張可能なことが明らかになった. また,各自律分散カメラの処理結果の統合投影の例題として,環境視を取り上げた.環境パラメータ推定に有効な消失点・無限遠線を別々のカメラから投影された同一球画面像空間内で局所並列処理により抽出する全方位画像処理を行った.これにより,既に開発している線図形抽出や両眼立体視などの前処理も同様に実行可能であることが確認できた.現在,移動カメラを自律分散個体とした球面オプティカルフローの抽出を試みている.
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