単一試行事象関連電位の自動検出法の臨床応用および認知機能の解明に関する研究
Project/Area Number |
05750430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西田 茂人 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10156078)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 事象関連電位 / 小児 / 単一試行記録 / モルフォロジーフィルタ / P300 |
Research Abstract |
事象関連電位(EPR)は、外部刺激に対する認知や期待など脳の高次機能に関連した電位であり、各刺激毎のERP波形を抽出し、その特徴を調べることは、医学の分野において重要な課題である。先に、バンドパスフィルタを用いて健常成人11名の単一試行ERPを記録し、その中で最も重要なP300波形の自動検出を行い、良好な結果を得た。本方法を臨床応用しょうとした場合、小児や痴呆症患者では、主な雑音成分である背景脳波の周波数帯域が低下し、P300の周波数帯域と重なるために、バンドパスフィルタによるSNの比の向上が望めない。 本研究では、両者の周波数帯域が重なる被検者に対する単一試行P300記録のためのモルフォロジーフィルタの設計法を提案した。本方法では、時系列に対するモルフォロジーフィルタの特性を明確にし、雑音成分と有効成分の特性を考慮に入れたフィルタの設計を行った。本方法の妥当性を示すために、シミュレーションを行った結果、バンドパスフィルタを用いた場合には、雑音成分が振動的波として残り、P300の自動検出がうまくいかなかったのに対して、モルフォロジーフィルタを用いた場合では、振動的な波も残らないために、P300が明確になり、良好な自動検出結果を得た。本方法を小児9名のデータに適用した結果、シミュレーションと同様な良好な結果が得られた。本方法は、有効成分と雑音成分の周波数帯域が重畳した場合のSN比向上に有効であるため、乳幼児の脳の発達、麻酔中の認知機能の解明、痴呆症患者の認知障害の解明等の臨床に役立てることが期待できる。 本年度の研究成果は、国際学会(KACC)で発表し、現在、Journal of Biomedical Engineeringの論文誌に投稿中である。また、今年度の研究を進める上で重要となった健常成人のP300の自動検出法に関する研究が論文集に掲載決定となったので、本報告書の研究発表の項目に記載した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)