光センシングによる微小血管内の血液酸素飽和度測定に関する研究
Project/Area Number |
05750434
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡田 英史 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40221840)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 血液酸素飽和度 / 光計測 / 二波長分光 / 微小血管 / 吸光度 |
Research Abstract |
本研究の目的は、末梢循環に位置する微小血管における血液酸素飽和度を光センシングによって測定する手法を確立することにある。血液の酸素飽和度は、原理的には二つの波長域における血液の吸光度を測定することによって求めることができる。しかし、微小血管を対象とした場合、血球散乱によっても光の減衰が生じるため、正確な吸光度を求めることが困難であった。本研究で製作した光センシングシステムは、顕微鏡に二波長吸光度測定系を組み込んだものであるが、オパールグラスを介して完全散乱光を血管に入射することによって、散乱による減光の影響を見かけ上取り除いて測定が行え、吸光度比を正確に求めることが可能になっている。基礎実験として、血液循環モデル流路を用いて、キュベット内を流れる血液酸素飽和度を測定したところ、血球濃度、キュベット厚(血管径に対応する)、血流速度に依存せずに、吸光度比と血液酸素飽和度の関係が一意に定まり、製作したシステムの有効性が実験的に示された。さらに、製作したシステムを用いて、ラット腸間膜の微小血管を対象とした血液酸素飽和度測定の動物実験を行った。動物実験においては、ラットの気管にチューブを挿管し、開閉することによって微小血管中の血液酸素飽和度を変化させた。まず、通常の分光で用いる平行光を照射して吸光度比を測定したところ、気管への空気の供給を遮断しても吸光度比の変化はほとんど見られず、血球散乱による減光の影響によって正確な酸素飽和度の変化は求められなかった。これに対して、本研究で製作したシステムを使用すると、気管挿管したチューブの閉塞後2〜3秒後から次第に吸光度比の変化が認められ、酸素飽和度の低下が測定された。チューブを再び開放すると、微小血管内の酸素飽和度は約5秒で閉塞前の値に戻った。この気管の開閉による酸素飽和度の変化は、細動脈の方が細静脈よりも早く応答した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)