地震動アレー観測記録を利用した地盤動特性値のひずみ依存性の同定に関する研究
Project/Area Number |
05750462
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造工学・地震工学
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
辻原 治 和歌山工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (50188546)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 地盤震動 / 鉛直アレー観測 / 同定 / S波速度 / Q値 / ひずみ依存性 |
Research Abstract |
地表で観測される地震動は、震源機構,伝搬経路,観測点直下の地盤条件等の影響を受けて複雑に変化する。とくに、大都市が立地する沖積層からなる平野部では、地表地震動特性は表層の地盤条件の影響を大きく受けるため、地震時の表層地盤震動特性を明らかにすることは震害を予測する上できわめて重要である。 地盤の動特性は、従来、弾性波探査やPS検層などから推定されている。しかし、そのような方法で推定される地盤の動特性は、必ずしも地盤時のそれに対応するものではないことが指摘されている。その理由の一つとして、地震時に土が示す非線形挙動があげられる。土の非線形性を明らかにするための室内実験も行われているが、原位置における土の拘束条件等を実験室で再現するのは困難であり、やはり、実際の地震時の土の挙動を観測し、これより動特性を調べる(同定する)のが最も合理的である。 本年度は、これまで筆者が展開してきた同定手法の検証を実地震観測記録を用いて行った。観測記録は、東京大学生産技術研究所千葉実験所構内で得られたものを使用した。ここでの記録は(財)震災予防協会発行の強震動アレー観測データベースに収録されおり、地震工学上の研究活動としての利用が許されている。表-1に観測地震の諸元を示す。本同定手法は、鉛直入射するSH波の重複反射を仮定しているため、震央距離に比較して震源が比較的深い位置にあるものを選んでいる。これらの地震時の地盤震動記録より、地表から深さ20mまでの地盤のS波速度およびQ値を同定した。 その結果、S波速度については、用いた地震記録による推定値のばらつきが小さく、速度検層による推定値ともよく対応し、十分信頼できる推定値が得られることがわかった。また、Q値については、推定値のばらつきがやや大きいが、かなり整合性のある推定値が得られた。 本年度の研究により、地盤同定手法が中小地震による地盤震動に対して適用可能であることがわかった。今後、強震動に対する適用性について検討する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)