塑性降伏に伴う構造劣化過程を考慮した洪積粘土地盤の変形解析手法の開発
Project/Area Number |
05750474
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Geotechnical engineering
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三村 衛 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00166109)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 洪積粘土 / 降伏 / 圧縮性 / 粘土の構造骨格 / 弾粘塑性構成式 / 沈下 / 過剰間隙水圧 / 有限要素法 |
Research Abstract |
大水深における人工島建設に伴い、深部に堆積している過圧密洪積粘土層が塑性降伏することによって、大きな過剰間隙水圧が発生し、これが消散しないままに激しい圧縮が平行して生じるという通常の土質工学の枠組みでは説明できないような現象が現場計測結果によって明らかになってきている。本研究では、洪積粘土の構造骨格に着目し、塑性降伏による粘土の構造骨格の劣化と破壊をモデル化する。この時、まず現場計測結果に基づいて、原位置のe〜logp関係を求め、この関係を簡単な数学モデルによって表現する。そしてこの圧縮モデルを従来の弾粘塑性有限要素法に組み込む。次に洪積粘土と砂層からなる理想地盤を仮定し、これに順次載荷重を加える。そしてこの時の地盤の応力-変形挙動を詳細に検討することによって、上述した一見矛盾した地盤の挙動を統一的に評価することを試みた。 従来のe〜logp関係をそのまま用いた場合と本研究で提案している構造劣化モデルを適用した場合を比較すると、従来モデルでは載荷の完了とともに過剰間隙水圧の急激な消散が見られるのに対して、構造劣化モデルでは、沈下の進行は従来モデルと同様の速度で進行する一方、その間も過剰間隙水圧は一定期間停留することが明らかとなった。さらに、透水層であると考えられる中間砂層においても、かなりの期間過剰間隙水圧が停留することがわかった。こうした現象は大規模海上埋立工事に際して観測された結果を再現し得ており、本研究で提案した構造劣化モデルが地盤工学上非常に有用であることを示しているものと考えられる。今後はこのモデルを実際の問題に適用することにより、現段階では定性的なレベルにとどまっている構造劣化モデルの適用性を高めたい。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)