Research Abstract |
1.1948年の福井地震,また1993年に発生した釧路沖地震,能登半島沖地震,北海道南西沖地震の震害資料を詳細に調査した.その結果,何れの地震においても液状化に伴う地盤変状によってライフライン被害が多数発生していることが明らかとなった.また,管路の構造的強度を高める対策だけで不十分であり,地盤改良による対策の必要性が高いことなど,液状化対策を行う上での問題点を提起した. ボーリングデータを用いた液状化予測法であるF_L値法とP_L値法を取り上げ,N値,土質,地下水位,地震加速度などのパラメータに対する感度解析を行った.その結果,空間的なばらつきを持つN値や不確定性の高い地震加速度の取り扱いに注意する点など,両手法を用いて液状化予測を行う上での問題点を明らかにした. 3.希少なボーリングデータから確率論的また統計論的に液状化領域の空間分布を推定する手法として,形状関数を用いた方法,Kniging法を用いた方法,多次元ガウス分布を用いた方法の3つの手法を提案した.また,2.で検討した結果を考慮しながら,福井地震をケーススタディとして本手法の有効性を検討した.その結果,何れの手法も有効であることが明らかとなったが,地震物性値の空間分布を考慮している点,また利用の簡便さなどからKinging法を用いた方法が最も有効的であることを示した. 4.3.で提案した手法を用いた最適ボーリング調査地点の決定法を提案し,ライフラインの液状化対策範囲を決定する上での有効性を検討した.その結果,比較的少ないボーリングデータを用いて,対象地区の液状化領域の空間分布がある程度精度良く推定できることが明らかとなった.
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