波の遡状を含む非線形波浪・海兵流モデルによる三次元海兵変形の予測
Project/Area Number |
05750484
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐藤 愼二 (1994) 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90170753)
佐藤 慎司 (1993) 横浜国立大学, 工学, 助教授
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非線形波浪 / 海浜変形 / 波の遡上 |
Research Abstract |
砕波帯における海浜変形を合理的に予測するためには,波の非線形性に伴う波形の非対称性や戻り流れの影響をあらわに取り込んだ波・流れ・砂移動の予測モデルを開発する必要がある.従来三次元海浜変形の数値モデルでは,主として緩勾配方程式を用いた線形理論に基づいて波浪場を計算し,ラディエーション応力の評価を介して海浜流場を計算するという方法がとられてきた.しかし,このような方法では波と流れの両者が収束するまで計算を繰り返し行わなければならないうえ,汀線付近での波の前後運動を再現することはできない.また,線形理論では底面流速波形の非対称化や前傾化は評価できないので,波による漂砂の移動方向の決定にはなんらかの仮定を導入せざるを得なかった. 本研究では,非線形性と分散性を含むブシネスク方程式を用いて,砕波帯外から波打ち帯までの波浪場と平均水位・海浜流場を同時に計算する数値モデルを開発し,その数値計算結果を実験結果と比較して検証した.本モデルでは波浪場の計算と同時に海浜流場の計算ができるうえ,流速波形の非対称化や前傾化が直接評価できる利点がある.さらに,これらの結果を用いて,非線形波浪モデルの三次元海浜変形計算への適用性を検討した.提案した数値モデルは屈折・回折を含む非線形波浪場の浅水・砕波変形と海浜流場を合理的かつ精度良く計算できることが確認された.また,波の前傾化・非対称化や戻り流れ等が直接評価でき,従来不明確な部分が多かった波の非線形性に起因する諸効果を含んだ三次元海浜変形の数値予測が行えるようになった.さらに波の先端部での境界条件を導入することにより,汀線における波の遡上運動を含めた計算が可能であることを確認した.以上に述べたように本論文では新たな数値モデルを開発することにより,砕波を含む非線形波浪・海浜流場と地形変化を波の遡上域を含めて合理的に予測することに成功した.
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Report
(1 results)
Research Products
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