Project/Area Number |
05750496
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
交通工学・国土計画
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 孝行 東京大学, 工学部, 講師 (20232754)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 不均衡経済 / 社会資本整備 / ワルラス均衡 / ケインズ的状況 / 事業効果 / 施設効果 / 厚生分析 / 貨幣保有 |
Research Abstract |
本研究は、土木計画学において従来より行われてきた社会資本整備の影響分析が、ほとんどの場合には、失業や遊休資源が存在しないようなワルラス均衡的な経済状況を想定したものであったのに対して、ケインズ的な不均衡経済状況のもとで、それを理論的なモデルによって試みたものである。 研究の第一段階においては、経済学における代表的な不均衡経済理論についてのレビューを行い、各理論について、社会資本整備の影響分析という目的への有効性の観点から、評価を行った。第二段階においては、それらの代表的理論の中から最も適切な理論的枠組みとして、貨幣保有による効用の非逓減性に着目した不均衡経済モデルを採用した。それに基づいて、社会資本整備の主な2つの効果である事業効果と施設効果を表現できるようにモデルを構築した。第三段階として、そのモデルを用いて、不均衡経済下におけるそれらの効果の定性的性質を明らかにし、さらに、従来の均衡経済下でのそれらと比較を行った。第四段階では、それらの影響が社会的に望ましいものであるかどうかを厚生分析の立場から検討している。 以上の分析により、不均衡経済下での社会資本整備がその目的には反して、経済効率性の観点だけから見ても社会的に望ましくない影響を生じる可能性があるという知見などを得ている。ただし、本研究は基礎的研究として着手して一年を経過したのみであるため、今後も多くの課題に取り組みながら、一層の発展を目指していきたいと考えている。
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