Project/Area Number |
05750615
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
井奥 洪ニ 高知大学, 理学部・附属水熱化学実験所, 助手 (60212726)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アパタイト / 生体材料 / 骨置換材料 / セラミックス / 水熱合成 / 水熱ホットプレス / 非化学量論 / リン酸カルシウム |
Research Abstract |
骨代替材料は、新生骨の形成にともなって速やかに吸収され、生体骨と置換するのが望ましい。アパタイトは、生体親和性が良く、骨充填材等として一部実用化されているが、現行の材料は生体内で比較的安定に存在し、骨内での吸収および骨組織との置換に数年間を要している。このことは材料の結晶性が必要以上に高く、かつ化学量論組成を有するためと考えられる。本研究の目的は、生体内で速やかに吸収・置換されるアパタイト骨置換材料を合成することにある。そのためには、材料を適正な結晶性に制御し、化学量論組成よりも生体活性であると考えられる非化学量論組成のアパタイトとして合成する必要がある。したがって結晶性および組成を制御しやすく、かつ材料の合成と固化を一つのプロセスで行える水熱熱間加圧成形法によってアパタイトを合成した。以下に、本研究によって得られた新しい知見を示す。 1)室温で湿式合成したリン酸カルシウム系の非晶質ゲルを150℃〜300℃,50MPa,3時間の水熱条件下で熱間加圧成形し、アパタイト固化体を作製した。このとき、温度およぴ昇温速度の制御を精密に行うことによって、結晶化度と組成を制御することが可能であった。 2)結晶性を制御した非化学量論アパタイト固化体の化学分析を行い、次に結晶化度を粉末 X線回折装置により測定した。その結果、試料はCaの欠損した(Ca/Pの化学量論比は1.67であるがCa/Pく1.67であった)低結晶性のアパタイトであった。 3)固化体の生体適合性の評価を疑似体液を用いて行ったところ、試料表面にはアパタイトの旺盛な析出が認められ、極めて生体活性であることがわかった。現在、この試料についての動物実験(成熟家兎)を東京大学医学部整形外科学教室に依頼して行っており、結果がまとまり次第、報告する予定である。
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