Project/Area Number |
05750623
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Composite materials/Physical properties
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志波 光晴 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (70242120)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | SiC / 複合材料 / 高温構造材料 / AE / 破壊機構 |
Research Abstract |
高温構造用セラミック基複合材料(SiC/SiC)として開発された日本カーボン社製のNicaloceramを用いて、酸化雰囲気における高温引張り試験時の破壊機構の評価を、AE計測及び、X線回折、破面観察により行なった。 実験に用いた試験片は、0^○方向に切り出した平滑材(250×10×3.5mm^3)であり、R加工を行った後に、掴み具部にタブとしてSUS304を接着した。この試験片の両端面に180kHz共振型AE変換子を瞬間接着剤を用いて取り付けた。そして、この掴み具を水冷する事で大気炉による高温引張り試験時のAE計測を行った。試験温度は、各々1073、1273、1473Kであり、クロスヘッドスピードは、0.02mm/minで行った。 応力-ひずみ曲線では、室温ではステップ状の応力低下が見られたが、高温では見られなかった。破断応力は、室温では89MPa、1073Kでは54MPa、1273Kでは40MPa、1473Kでは39MPaとなった。また、総AE事象数は、室温では高温試験に比べて約1桁多く、次いで1473K、1073K、1273Kにおいて、各々277、224、34イベントとなり、高温になるに従い破断応力、AE事象数とも減少した。破断面の観察より、高温になるにつれて繊維プルアウト長さが短くなった。また、X線回折では、1473KにおいてSiO_2及びTiO_2の析出が多く検出された。これより、高温での破壊機構が常温でみられた累積損傷型から脆性破壊型へ変化した理由は、SiO_2、TiO_2の析出、カーボンコーティング層の酸化及び繊維の劣化により、繊維による諸強化機構が発現しなかったためと考えられる。 これにより、Nicaloceramにおいて高温特性を向上させるためには、マトリックスの耐酸化特性を向上させて酸化雰囲気中において酸化物の析出を防ぎ、同時に緻密化を促進することでカーボンコーティング及び繊維の酸化を抑制することが必要であると考えられる。
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