気泡流動層石炭燃焼場での気泡相と粒子濃厚相のガス組成分離計測による燃焼機構解明
Project/Area Number |
05750672
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学工学一般
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部・エコロジー工学系, 助手 (80218065)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 石炭燃焼 / 流動層 / 窒素酸化物 / 亜酸化窒素 / ボイラ / 環境汚染物質 / 固気2相流 / 固気反応 |
Research Abstract |
近年、気泡流動層石炭燃焼技術においては、酸性雨・オゾン層破壊などの地球規模的環境問題の観点から、燃焼効率の向上のみならずより厳格な環境適応燃焼技術の開発が急務となっている。そこで本研究では、流動層濃厚相部を形成している気泡相と粒子濃厚相内のそれぞれの燃焼生成ガスの分離計測(コンディショナルサンプリング)を流動層内の微小区間離れた2点間の差圧信号を検知することによって行い、気泡流動層内の石炭の燃焼機構ならびに環境汚染物質の生成機構を詳細に明らかにした。 実験は、まず、2次元ならびに3次元コールドモデルによって本分離計測原理の適応性の確認を行った上で、実験室規模の流動層燃焼装置で実際に分離計測を行った。得られた結果より、非燃焼場ならびに燃焼場における気泡相と粒子濃厚相間のガス交換特性を検討するとともに、燃焼場での各相のガス組成の差異を明らかにして、石炭燃焼場での燃焼機構および環境汚染物質の生成機構に及ぼす両相の役割を明確にした。 結果として、まず、コールドモデル実験では、気泡を識別するために開発した気泡周りの微小2点間差圧変動特性を基本原理としたコンディショナルサンプリングシステムが十分に適用できることを示した。さらに、気泡-エマルジョン相間のガス交換特性は流動媒体の粒径に影響し、気泡上昇速度とエマルジョン相中のガス流速の比が大きくなるほど気泡内ガスが保存されることを明らかにした。つぎに、本サンプリングシステムを石炭燃焼場に適用したところ、燃焼場においても気泡相内の燃焼ガスを精度良く分離・採集できた。また、流動媒体の粒径を変化させて燃焼実験を行ったところ、大粒径の場合は気泡-エマルジョン相間の燃焼ガス濃度に差異はなかった。これは気泡-エマルジョン相間のガス交換が大きいことによる。一方、小粒径の場合、濃厚層全体にわたり両相間のガス濃度に差異が生じ、これは、気泡相内で揮発分燃焼が優先的に生じることによる。以上の結果から、燃焼場での両相の燃焼過程における役割を明らかにして、流動層燃焼の本質の一部を解明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)