化学気相蒸着法による選択的水素透過能を有する金属薄膜の調製
Project/Area Number |
05750694
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
上宮 成之 成蹊大学, 工学部, 助手 (60221800)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | パラジウム / 無機多孔質膜 / 複合膜 / 水素 / CVD / 錯体 |
Research Abstract |
CVD法に適した高揮発性の化合物としてアセチルアセトナト錯体を選択し、大気圧下、熱分解によりパラジウムを多孔質体の細孔内に担持することを試みた。析出速度や析出物の形態に大きな影響を与える操作因子に関して基礎的知見を得るため、平板状ガラス基板上へのパラジウム薄膜の析出させ、析出速度を求めた。その結果、錯体の気化温度は180℃のとき、最も大きな析出速度が得らることがわかった。この温度を越えると、錯体が急速に分解し、効率的に気化させることができなかった。また、基板温度として300℃が最も適していることをみいだした。なお、SEM観察により、以上の析出条件下では緻密な膜が得られることを確認している。 得られた基礎的知見をもとに、平均細孔径200nmの多孔質アルミナ管への析出を試みた結果、目的とする管中央部(2cm)に、ほぼ選択的にパラジウムを析出させることができたが、2時間析出したのみでは、完全に細孔を塞ぐことができなかった。しかし、管内をアスピレーターで減圧にすることでパラジウム化合物は細孔内に吸引され、細孔開口部付近で分解が起こっていることが、EPMAによる元素分析で確認することができた。以上の結果は、析出操作を繰り返すことで細孔を塞ぎ、水素を選択的に透過する非対象型分離膜を調製できることを示唆している。昇華させたパラジウム化合物の細孔内での拡散と析出を制御できるように、装置の改良および最適条件(特に析出温度、管内圧力)の確立が今後の研究課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)