Project/Area Number |
05750699
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山川 哲 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80200591)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酢酸 / 酢酸メチル / メタノール / ギ酸メチル / ホルムアルデヒド / ルチニウム / ルテニウムースズクラスター / Y型ゼオライト |
Research Abstract |
1.メタンを酢酸へ転化する反応は、CH_4→HCHO→HCO_2Me→MeCO_2Hの逐次反応により進行すると想定される。一方、第一段のCH_4→HCHOの酸化反応触媒については、これまで広範な検討がなされているので、ここでは簡便なHCHO源となるメタノール、および中間生成物であるギ酸メチルの二者を基質とする反応に絞り、固気相不均一系による反応を検討した。 2.触媒として、液相均一系でMeOH→MeCO_2H(MeCO_2Me)の反応の触媒となることが知られているRu(II)-Sn(II)錯体をY型ゼオライト中にship-in-bottle合成したものを用いた(NaYゼオライトのNa_+を[Ru(NH_3)_6]^<3+>でイオン交換後、SnCl_2-NaClメタノール溶液で処理)。反応は常圧固定床流通反応装置を用い、メタノール・ギ酸メチルは恒温に保った飽和槽を通して供給した。 3.メタノールを基質として200℃、W/F=1300g-cat h mol^<-1>で反応を行なったところ、約30時間の誘導期の後、酢酸メチルが9%の転化率で得られた(酢酸は過剰に存在するメタノールによりエステル化されている)。また、W/Fの減少とともに、ギ酸メチルの生成がみられたので、(MeOH→)HCHO→HCO_2Me→MeCO_2H(MeCO_2Me)の逐次反応経路が確認されたといえる。ICP・XPS・EXAFSによる触媒のキャラクタリゼーションの結果、誘導期の間にRu(III)→Ru(II)の還元、および触媒調製時に表面近傍に存在したSn(II)種のゼオライト内部への拡散(Ru(II)との錯形成)が起こると推定された。また、Sn(II)配位のないRu種はホルムアルデヒドをCO+H_2に分解し易いことがわかった。これらの結果から、メタンを酸化して生成したホルムアルデヒドを酢酸に転化する際には、Ru(II)-Sn(II)バイメタリック構造をもつ触媒が必須であると結論できる。今後の触媒調製の指針として、予めSn(II)種の配位したRuカチオン錯体によるイオン交換が考えられよう。なお、同じ触媒でギ酸メチルを基質としても、やはり酢酸メチルを生成することが確認された。
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