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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
申請者は,硝酸インジウム-塩化スズ水溶液にアンモニア水を添加して調整したコロイド粒子を用いたゾル・ゲル法により透明導電性ITO薄膜を作製することを目的として,コロイド粒子の性質,ITO薄膜の生成過程および薄膜の性質などについて検討した結果,以下のことが明らかになった. (1)硝酸インジウム-塩化スズ水溶液にアンモニア水を添加して調整したコロイド粒子は,水酸化インジウムからなる微細な粒子が50nm程度の大きさに凝集した二次粒子であった. (2)550℃,2分間の焼成によりITO薄膜は生成するが,その短い時間内でコロイド粒子と塩化インジウムの熱分解が生じること,さらにコロイド粒子の熱分解反応は瞬時に終了するのに対し,塩化インジウムの熱分解は持続性があることが明らかになった.また,薄膜の基本的な微細構造はこの短い時間内にほぼ出来上がるが,実用的な導電性を有したITO薄膜を作製するには20分間以上の焼成時間が必要であった. (3)コロイド粒子の解膠剤として有効な塩化インジウムは,焼成時に熱分解して酸化インジウムとなり,薄膜を形成している微粒子同士や基板と微粒子とをつなぎ合わせるなど,成膜に対して非常に重要な役割をなすことが明らかになった. (4)550℃,30分間で作製したITO薄膜の気孔率は約44%であり,解膠剤として塩化インジウムを添加したゾルから一回の塗布-焼成の操作により最大2mumの膜厚を有し,クラックや剥離がなく基板に対して密着性に優れたITO薄膜が得られた.その薄膜の表面抵抗の最小値は500OMEGA/cm^2であり,可視光に対する光透過率は90%以上であった.
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