不斉ルイス酸触媒を用いる不斉炭素-炭素結合生成反応の開発
Project/Area Number |
05750754
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺田 眞浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (50217428)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 不斉触媒 / チタン錯体 / ルイス酸 / Diels-Alder反応 / ヘテロDiels-Alder反応 / コンパクチン / アントラサイクリン |
Research Abstract |
本研究は、不斉ルイス酸触媒の設計開発を中心に、代表的な炭素-炭素結合生成(CCF)反応の不斉触媒化を検討し、生理活性化合物合成に即した不斉触媒的CCF反応の開発を目的とする。従って、本研究の成否は主にこれら代表的なCCF反応に対する有効な不斉ルイス酸触媒の設計開発にかかっているといえる。ここ数年申請者は、代表的なCCF反応の一つであるエン反応の不斉触媒化に取り組みビナフトールを不斉配位子とするキラルチタン錯体が極めて有効な不斉触媒となることを見いだしている。そこでこのキラルチタン錯体を用いてCCF反応の不斉触媒化を検討することにした。一方、対象とするCCF反応には、その合成的な有用性が広く認められている(へテロ)Diels-Alder反応を特にとりあげ、これらの不斉触媒化を検討した。 まず、グリオキシラートを親ジエン体とするアルコキシジエンとのへテロ-Diels-Alder反応では、極めて高い光学純度でジヒドロピラン誘導体が得られることを見いだし、このキラルチタン錯体が本反応の極めて有効な不斉触媒となることを明らかにした。さらに、この不斉触媒的へテロ-Diels-Alder反応を鍵反応として、グリオキシラートと1-メトキシブタジエンとの触媒反応によって得られた生成物を、血圧降下剤として注目されているコンパクチンのラクトン部へと導いた。つまり、本手法が、生理活性発現の鍵構造であるラクトン部の極めて効率的な不斉合成法となることを明らかにした。さらに、alpha,beta-不飽和ケトンおよびアルデヒドを親ジエン体とするアルコキシジエンとの不斉触媒的Diels-Alder反応においても、シクロヘキセン誘導体が光学純度良く得られ、このキラルチタン錯体がDiels-Alder反応においても極めて有効であることを明らかにした。さらに、本不斉触媒反応を利用して抗ガン剤として注目されているアントラサイクリン系抗生物質の鍵中間体の触媒的不斉合成も行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)