Project/Area Number |
05750758
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機工業化学
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
内田 欣吾 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (70213436)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 光メモリー材料 / フォトクロミズム / ジアリールエテン / アズレン / 長波長化 / 光強度依存性 |
Research Abstract |
ジアリールエテン誘導体は、異なる波長の光を照射することにより可逆的に開環/閉環反応(フォトクロミック反応)が起こり、その熱安定性、繰り返し耐久性が他のフォロクロミック化合物に比べ著しく優れた化合物である。この芳香環の1つをS1、S2という2つの励起状態を持ち、またそれ自身の吸収も極めて長波長領域に存在するアズレン環に置換することいにより、吸収の長波長化とフォトクロミズムの光強度依存性のある化合物の合成を目指した。 目的とした分子構造は、芳香環としてアズレン環と従来のベンゾチオフェン環を1つずつ持つ化合物(1)であり、この合成に成功した後、以下の知見を得た。 (1)ジアリールエテン開環体(1)の吸収は吸収極大500nm、吸光係数8000であるがこれはプロトンスポンジのような化合物が存在するときのみ510nm光照射すると閉環して吸収極大800nm吸収端1000nmと吸収帯の大きく長波長化した閉環体(2)を与えた。これに650nm以上の光を照射すると(1)に戻りフォトクロミズムを示した。 (2)これは(3)のようにアズレンの3位のプロトンが引き抜かれ、二重結合が局在化することがフォロクロミズムを示すために必要であることを示すが、添加剤の存在により系が複雑化し、目的としたアズレンのS1、S2の光反応への関与は観察できなかった。
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