波形情報を利用した弾性波トモグラフィによる岩盤内の破砕帯の高精度探査に関する研究
Project/Area Number |
05750834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
資源開発工学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 俊樹 京都大学, 工学部, 助手 (50210935)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 弾性波探査 / トモグラフィ / インバージョン / 岩盤調査 / 破砕帯 / 減衰 / 波形処理 |
Research Abstract |
本研究では、まず初めに、微細な亀裂の存在する媒質あるいは粘弾性媒質内における弾性波の伝播特性について計算機シミュレーションにより検討した。次に、このような媒質内では波動の伝播に伴って弾性波の振幅、スペクトル、波形幅などが変化することを利用して、弾性波減衰特性を再編成するトモグラフィ解析手法の開発を行った。次に破砕帯、空洞などの各種の構造モデルに対して、振幅、スペクトル、波形形状などの情報を用いた減衰トモグラフィ解析の計算機シミュレーションを行った。その結果、以下の結果が得られた。 1.岩盤内の亀裂や破砕帯の存在が、弾性波の振幅、スペクトル、波形幅に与える影響が明らかになった。 2.これらの情報を用いて媒質の減衰特性の分布を再構成することができた。 3.波形幅を用いる方法は振幅を用いる方法に比べて簡便である。 地下の坑道を利用して取得した現地データに対して本研究において開発した解析手法を適用した。その結果を地質情報と照らし合わせた結果、以下のような知見を得た。 1.弾性波速度が低下している部分は岩盤に亀裂が卓越している部分に対応している。 2.弾性波の減衰が大きい部分は断層とその周辺の破砕帯に対応している。 3.波形幅を用いた減衰トモグラフィでは振幅を用いた場合に比べてスムーズで安定した減衰分布が得られる。 本研究の結果、従来使用されている弾性波速度トモグラフィでは検出できなかった断層及び破砕帯の構造を把握することができた。本手法は亀裂・破砕帯探査の有力な手法として使用できると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)