イネ核ゲムに存在する葉緑体リボソームタンパク質遺伝子の解析
Project/Area Number |
05760006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 伸浩 (1994) 東京大学, 農学部, 助手 (00202185)
堤伸 浩 (1993) 東京大学, 農学, 助手
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | イネ / 葉緑体 / リボソームタンパク質遺伝子 |
Research Abstract |
本研究では、葉緑体機能を改変し育種的に利用するための基礎的な知見を得るために、核にコードされている葉緑体のリボソームタンパク質サブユニットの遺伝子をクローン化し、転写調節領域・トランジット配列・RNAのプロセッシングを明らかにすることを目的としている。 イネ葉緑体のリボソームタンパク質L12の遺伝子は、進化の過程で葉緑体ゲノムから核ゲノムへ移行したと考えられている。当初の計画では、タバコのrpl12遺伝子のcDNAクローンを利用して、イネのrpl12遺伝子をクローン化する予定であった。しかし、rpl12をプローブとしてイネのDNAに対しサザンハイブリダイゼーションを試みたが、タバコ由来のプローブにハイブリダイズするシグナルは得られなかった。また、イネの幼植物体からmRNAを抽出し、ノーザンハイブリダイゼーションをおこなった結果からも、イネの転写産物は検出できなかった。これは、タバコの配列とイネの配列の間のホモロジーが低いためであると考えられた。 新たにライムギでrpl12遺伝子の塩基配列が報告されたので、ライムギとタバコの間でrpl12の塩基配列のホモロジーを調べた。その結果、rpl12の塩基配列はタバコとライムギの間で大きく異なっていることがわかった。これは、葉緑体に存在するリボソームタンパク質遺伝子の塩基配列の保存性が高いことと対照的である。スクリーニングに用いるプローブを得るために、rpl12の塩基配列で、ライムギとタバコで保存性の高い180bpをもとに、イネのmRNAをテンプレートとしてRTPCRでイネの配列を増幅した。その結果、目的の長さの断片が増幅され、この断片をクローン化して塩基配列を決定しrpl12遺伝子の一部であることを確認した。現在、イネのcDNAライブラリーの作成が終了し、rpl12の遺伝子のスクリーニングをおこなっている。 また、ミトコンドリアから核へ移行した配列の解析も平行しておこなった。イネのミトコンドリアに存在するプラスミド様DNAは、核のゲノム内に相同配列が存在する。これらの相同配列は、葉緑体のリボソームタンパク質遺伝子と同様に、オルガネラから、核へ移行したのではないかと考えられた。これらの核に存在する相同配列をRFLPマッピングしたところ、第8染色体と第1染色体の特定領域に集中して存在することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
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