Project/Area Number |
05760051
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小山 博之 岐阜大学, 農学部, 助手 (90234921)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リン酸アルミニウム / 低リン酸耐性 / クエン酸放出 |
Research Abstract |
本研究ではリン酸A1態リン酸を利用できる低リン酸耐性ニンジン培養細胞の耐性が、その高いクエン酸放出能力に依存することに注目し、クエン酸放出に関する機構に焦点を絞り研究を行った。先ず、最も高いクエン酸放出能力を持つ低リン酸耐性細胞をリン酸A1ゲルを含む培養液でインキュベートし、同時に代謝阻害剤を添加して放出現象に対する影響を調べた。その結果、CCCP等の脱供役剤を添加した場合、クエン酸放出が認められないことを明らかにした。このことはクエン酸放出が何等かの代謝に依存した能動的な輸送系によることを強く示唆している。次に輸送機構のうち、液胞並びに細胞膜に焦点を絞りそれらの膜画分の単離・精製を試みた。しかし一般に液胞単離に用いられるプロトプラストを初発材料とする浸透圧法、並びに細胞膜単離に用いられるベシクル単離法を、前者ではおもにプロトプラスト単離条件並びにEDTA濃度を、後者では細胞破砕条件並びにNcCl等の塩濃度を検討したが、比較とする親細胞に比べ、その収率は極めて低く、実験材料として満足できる高度精製膜画分を単離することは困難であった。また、ここで得られた粗膜画分については、SDS電気泳動により野生型である親細胞と比較を行ったが、顕著な差異は認められなかった。これらのことは、低リンパ酸耐性細胞の膜画分は、通常の単離条件で精製できないことから、タンパク質のみならず脂質等にも差を持つことを示唆すると共に、その特定には高度に膜画分を精製する手法の確立が必要不可欠であることを意味している。尚、本研究の過程で塩化銅処理による細胞質のクエン酸濃度の定量法を確立し、細胞内ノクエン酸分配をせ研究することが可能となり、またクエン酸代謝関連酵素群のうちクエン酸合成酵素の活性が顕著に高いことを見いだしたことから、今後この方面からクエン酸放出機構を解明できることが期待された。
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