Project/Area Number |
05760064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
片岡 孝夫 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20242307)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | プロディギオシン25-C / 細胞傷害性T細胞 / 免疫抑制剤 / 液胞型H^+-ATPase / オルガネラ酸性化 / 細胞内輸送 / ゴルジ装置肥大化 / ミトコンドリア肥大化 |
Research Abstract |
プロディギオシン25-Cの細胞レベルでの作用機序を明らかにするためにBHK細胞を用いて細胞内輸送および細胞内オルガネラの形態に対する影響を検討した。プロディギオシン25-Cは細胞内オルガネラの酸性化を阻害するポリエーテルイオノフォアや液胞型H^+-ATPase(V-ATPase)阻害剤と類似した作用を示すことが示唆されていたので、まずアクリジンオレンジ染色法を用いてオルガネラの酸性化に対する影響を検討した。プロディギオシン25-Cを添加することにより、コントロール細胞に観察されるオレンジ色に染色された細胞内顆粒の消失が認められ、プロディギオシン25-Cは細胞レベルでオルガネラの酸性化を阻害していることが明らかとなった。さらに水疱性口内炎ウイルス(VSV)を感染させたBHK細胞を[35S]メチオニンで標識し糖蛋白質であるG蛋白質の細胞内輸送に対するプロディギオシン25-Cの作用を検討した。プロディギオシン25-C処理したものでは、チェイス後も細胞内にG蛋白質が検出され、また細胞外に分泌されG蛋白質は低分子化していた。この結果はプロディギオシン25-Cによりゴルジ装置の酸性化が阻害されることにより、G蛋白質の輸送が遅れるとともシアル酸などの末端糖鎖の付加も阻害されるためと考えられる。さらに透過型電子顕微鏡により細胞内オルガネラの形態を観察したところ、プロディギオシン25-Cの添加によりゴルジ装置およびミトコンドリアの顕著な肥大化が認められた。しかしながら、同じ条件で細胞内ATP含量の低下は認められなかった。したがって、プロディギオシン25-Cはミトコンドリアの呼吸活性を阻害するのではなく、イオン勾配、pHあるいは浸透圧等に影響することによりオルガネラ内に水が流入し肥大化が誘導されると考えられる。以上、プロディギオシン25-Cの細胞機能に対する効果はオルガネラの酸性化により発現することが強く示唆された。
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