微生物のハロ酸デハロゲナーゼの分子生物学的研究と応用
Project/Area Number |
05760069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (70243087)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 2-ハロ酸デハロゲナーゼ / 有機ハロゲン化合物 / 脱ハロゲン / 2-クロロアクリル酸資化性菌 |
Research Abstract |
2-ハロ酸の加水分解的脱ハロゲンを触媒する2-ハロ酸デハロゲナーゼ(DEX)には立体特異性が異なる4種(L-DEX、D-DEX、DL-DEX(立体保持型)、DL-DEX(立体反転型))が知られている。このうち、L-DEX、DL-DEX(立体反転型)の構造と機能を解析した。 1.土壌細菌PseudomonasspYLからL-DEXを精製し、これが高い耐熱性を有していること、また、有機溶媒中、炭素鎖長16の長鎖の基質にも作用することを明らかにした。同じ菌株が生産するDL-DEX(立体反転型)の精製及び諸性質の検討も行った。 2.L-DEX遺伝子の塩基配列を決定した。翻訳領域は696塩基からなり、232アミノ酸をコードしていた。これは他生物由来のL-DEX及びハロ酢酸デハロゲナーゼと38-57%の高い相同性を示した。一方、立体特異性を異にするD-DEXや、基質特異性を異にするハロアルカンデハロゲナーゼとは有意な相同性はなかった。 3.クローン化したL-DEX遺伝子を、Escherichia coliJM109に導入し、全可溶蛋白質の約50%という非常に高い効率で本酵素を生産する組換え体を得た。この組換え体から、熱処理とイオン交換クロマトグラフィーのみで簡便に本酵素を均一に精製する方法を確立した。 4.3.で大量に精製した酵素を用い、15%PEG8000、1%n-プロパノールを沈殿剤として、良質な結晶を得ることができた。 :5.L-DEXはAsp,Gluの化学修飾で失活した。他生物由来のL-DEXとの間で完全に保存されている5箇所のAsp、1箇所のGluを部位特異的変異法により、Asn、Glnにそれぞれ改変した。その結果、10位及び180位のAsp残基を改変した変異酵素において著しい活性低下が認められ、これらの触媒反応への関与が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)