部位突然変異法を用いたアンジオテンシンIIリセプターの情報伝達機構の解明
Project/Area Number |
05760072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アンジオテンシンII / 部位突然変異法 / リセプター / 情報伝達 |
Research Abstract |
アンジオテンシンIIは血圧上昇に係わるホルモンであり,これがリセプターに結合することにより情報伝達が起こる.申請者は本リセプターを介した血圧上昇機構を明らかにするためにラット腎臓由来のアンジオテンシンIIリセプター(AT1A)cDNAを用いて本リセプターのリガンド結合部位に関して検討を行った.本リセプターは7回膜貫通領域を持つことが明らかになっており,その立体構造を検討した結果,第2および第3細胞外ループに存在する荷電を持ったアミノ酸残基がリガンド結合に重要であることが推定され,それらはリジン(Lys^<199>),ヒスチジン(His^<166>),アルギニン(Arg^<167>9),グルタミン酸(Glu^<173>),アスパラギン酸(Asp^<263>)であった.これらのアミノ酸残基を変化させるためにcDNAに対して部位突然変異法を行い,培養細胞COS-7でリセプターを発現させた.最初に,分子量がほぼ同じで荷電を消失させるアミノ酸置換を行った.Lys^<199>→Gln,His^<166>・Arg^<167>→Gln・Gln,Asp^<263>→Asnの変異を導入するとKd値は野生型と比べて約10倍上昇した.一方,Glu^<173>→Glnの場合,Kdの値の上昇は約3倍であった.他方,リセプターの立体構造に関してほとんど影響を与えないように,これらの残基をアラニンに置換した変異体も作成したが,Kd値の上昇はほぼ同じ傾向を示した.さらに,これらの変異リセプターの培養細胞での発現は抗体を用いて確認した.以上の結果より,リセプター,リガンド結合にはここで調べた第2および第3細胞外ループに存在する荷電を持ったアミノ酸が重要な役割を持っていることが明らかになった.
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Report
(1 results)
Research Products
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