Project/Area Number |
05760083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
桐村 光太郎 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (90195412)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | プロトプラスト融合 / クエン酸生産 / セルラーゼ / Aspergillus niger / Trichoderma viride |
Research Abstract |
クエン酸は食品における酸味料や洗剤のビルダーとしての用途があり、糸状菌Aspergillus nigerを用いて工業的に発酵生産されている。本研究においては、セルロース系原料からのクエン酸生産を目的として、セルラーゼ生産糸状菌Trichoderma virideとA.nigerプロトプラスト融合を行い、異属間雑種糸状菌を作成した。 A.nigerとT.virideの異属間雑種株は、ヘテロカリオン型と半数体型の2群に分類された。これらの雑種株と親株のA.nigerとT.virideの染色体DNAについてSmaI等の制限酵素による切断分析を行い、雑種株染色体DNAの構成に関して検討した。ヘテロカリオン型の雑種株ではA.nigerとT.virideの染色体DNAの両者についてのSmaI切断パターンが合わせて観察された。半数体型の雑種株ではA.nigerと極めて類似したパターンが観察された。染色体DNAとミトコンドリアDNAに関する他の制限酵素を使用した切断分析においても同様の結果が得られた。分生子の核当たりのDNA含有は両雑種株とも両親株のものと同等であった。従って、ヘテロカリオン型の雑種株ではA.nigerとT.virideの両者の染色体およびミトコンドリアDNAが保存されていることが確認され、DNAレベルで雑種性が明らかになった。一方、半数体型の雑種株ではA.nigerの染色体に部分的にT.virideの遺伝子が組み込まれていたことが考えられた。 雑種株についてクエン酸およびセルラーゼの生産性を調べたところ、半数体型の融合株ではA.nigerと同様のクエン酸生産性を有していたがセルロース分解性は認められなかった。ヘテロカリオン型の融合株では、クエン酸生産性とともにT.virideと同等のセルラーゼ生産性が認められ、セルロースを炭素源とした場合にも収率は低いもののクエン酸が生産された。
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