発がん性かび毒アフラトキシンB_1結合蛋白質の性質の解析
Project/Area Number |
05760087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
岩城 正昭 国立予防衛生研究所, 食品衛生微生物部, 研究員 (20176530)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アフラトキシンB1 / 初代培養肝細胞 / 結合蛋白質 / ミクロソーム / P-450 / 細胞毒性 / 急性毒性 |
Research Abstract |
アフラトキシンB_1(AFB_1)は現在知られている最も強力な肝発がん物質であり、強い肝急性毒性、肝細胞毒性を持つ。肝におけるその作用の発現には、ミクロソームのシトクロムP-450によって代謝活性化されたトキシンの生体高分子との結合が重要と考えられている。結合成分としてDNAに注目した研究は数多いが、蛋白質との結合様式に関しては知見が乏しいため、AFB_1の作用に蛋白質との結合が果たす役割は現在のところ不明であり、解明が待たれている。我々は今までに、AFB_1に高感受性のトリ胚初代培養肝細胞において(in vivo)細胞質の分子量25kDaの蛋白質が〔^3H〕AFB_1と特異的に結合すること、トリ胚肝臓のホモジネートより調製したpost-mitochondrial画分と〔^3H〕AFB_1をインキュベートすること(in vitro)によって分子量25kDaのものを含むいくつかの可溶性蛋白質が放射標識れることを見い出している。本研究は、AFB_1と蛋白質の結合がAFB_1の作用に果たす役割を解明することを目的に、分子量25kDaの蛋白質とAFB_1との結合様式について詳細に検討した。 〔^3H〕AFB_1と蛋白質のin vitro結合は、トリ胚肝臓ミクロソーム画分の存在下では認められたが同画分の非存在下では認められず、in vitro結合がミクロソーム酵素系に依存した反応であることが明らかになった。また、トリ胚に加えて、トリ成鳥、ラット、ウサギ、マウス等、AFB_1に対する感受性の互いに異なる実験動物由来のin vitro系についても分子量25kDaの蛋白質とAFB_1との結合が認められ、その強さは、AFB_1の急性毒性に対する各動物種の感受性の高さによく対応していた。このことから、分子量25kDaの蛋白質がAFB_1の毒性の発現に何らかの役割を果たしている可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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