Project/Area Number |
05760095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中嶋 正敏 東京大学, 農学部, 助手 (50237278)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 免疫組織化学 / t-Zeatine / IAA / マイクロスライサ- / ニトロセルロース膜 / Amoracia rusticana / 毛状根 / 蛍光標識抗体 |
Research Abstract |
1.研究目的 各種の物理化学的分析により、器官レベルにおける植物ホルモンの量的な解析については数多く報告されているが、組織レベルでの解析例はほとんどない。また、申請者らは植物ホルモンと特異的に結合する数種の抗体の調製を既に完了している。そこで本研究では、初めに植物ホルモンの組織への固定化についてニトロセルロース膜を用いたモデル系で設定を行い、固定効率の最適化を図った後、植物ホルモンの関与が示唆される生理現象に着目し、抗体を用いた免疫学的手法によりそれらの組織内分布の解析を行うことを目的とする。 2.研究方法および成果 BSA及びKLHタンパク質を吸着させたニトロセルロース膜上でパラホルムアルデヒド蒸気による固定化,銀増感・金コロイド法を用いた免疫染色により数ナノグラムのIAAが肉眼で検出可能となった.また、パラホルムアルデヒドとグルタルアルデヒド蒸気を併用した固定化により同レベルのt-zeatineも検出可能となった.このモデル系を応用し、ワサビ(Amoracia rusticana)毛状根におけるt-zeatineの組織内分布の解析を試みた。毛状根の先端を採取し凍結乾燥後、上述の蒸気固定を行い、寒天に包埋して緩衝溶液中にてマイクロスライサ-で薄切片を調製した.蛍光標識二次抗体を用いて染色後、蛍光顕微鏡で観察した.これより各種対照区では蛍光が観察されず、t-zeatineが局在すると想定される先端部では有意に蛍光が観察された.今回、マイクロスライサ-を導入したことにより、包埋操作に要する時間の簡略化が図れた上,組織内への樹脂の浸透促進剤として使用していた有機溶媒が不要となり、固定された植物ホルモンの、抗体に対する親和性を損なう恐れの少ない薄切片調製が可能になった.これらの基礎技術は多くの免疫組織化学に応用できると考えている.
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