Project/Area Number |
05760103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
食品科学・栄養科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久恒 辰博 東京大学, 農学部, 助手 (10238298)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 免疫抑制 / CD8^+ / 抑制T細胞 / 自己応答性T細胞 / インターロイキン-10 / ウシalphas1-カゼイン |
Research Abstract |
乳幼児において食品アレルギーが高頻度に観察され、大きな社会問題としてとり扱われるに至っている。このアレルギーの根本的な治療法として抑制T細胞を用いることが期待されているが、この細胞の働きには不明な点が未だに多い。我々はこれまでにマウスの系において、主要な牛乳アレルゲンであるウシalphas1-カゼインに特異的なCD8^+抑制T細胞株を樹立し、その抑制作用の解析を行ってきた。そしてこの免疫抑制は特定の液性因子(インターロイキン-10)により仲介されることを明らかにしてきた。 本年度の研究において、まずalphas1-カゼインに特異的な抑制T細胞に対する抗原決定基の検索を抗原蛋白質の酵素分解物あるいは化学合成ペプチドを用いて行った。その結果抑制T細胞に対する抗原決定基はヘルパーT細胞に対する抗原決定基とは異なることが示された。特にalphas1-カゼインの領域136-151は抑制T細胞に特異的であることが明らかにされた。このペプチド136-151を動物に投与することにより免疫抑制が誘導されることが期待される。 一方、自己成分に応答性を有するCD8^+T細胞クローンの樹立に成功した。これらの細胞は抑制性のリンホカインであるインターロイキン-10を産生する抑制T細胞であることが示された。この際、これらの細胞は自己の産生するインターロイキン-10により自己制御的にその増殖が抑制されることが観察された。免疫系のホメオスタシスの維持にこのような自己反応性のT細胞が関与していることが推察された。さらにこれらの自己反応性T細胞を用いたアレルギー性疾患の治療の可能性が挙げられた。
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