Project/Area Number |
05760122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
丹下 健 東京大学, 農学部, 助手 (20179922)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スギ高齢木 / 気孔の頻度分布 / ガス拡散コンダクタンス / 光合成 / 水ポテンシャル / 大気飽差 |
Research Abstract |
東京大学千葉演習林内の9年生(幼齢木、樹高8m)、28年生(若齢木、17m)および86年生(高齢木、30m)スギ人工林に観測用鉄塔を設置し、それぞれ陽樹冠の針葉について光合成、蒸散および木部圧ポテンシャルの測定を行った。以下に本研究によって明らかになった高齢木の水分生理的特性を示す。 1.成長期間における高齢木の針葉の夜明け前の木部圧ポテンシャルは、-0.7〜-0.5MPaの範囲にあり、幼齢木や若齢木の-0.3〜-0.2MPaに比べて明らかに低かった。 2.蒸散速度と大気飽差から算出した高齢木の針葉の水蒸気拡散コンダクタンスは、大気飽差が大きくなるにともなって減少するが、その変化は幼齢木等に比べて非常に緩慢であった。また、大気飽差が小さいとき(湿度が高いとき)の水蒸気拡散コンダクタンスは、幼齢木の1/3以下、若齢木の1/2以下と明らかに小さかった。 3.高齢木の針葉の水蒸気拡散コンダクタンスは、木部圧ポテンシャルが上昇し、針葉に水ストレスがかかっていないときでも、幼齢木の針葉が示すような値にまでは増加しなかった。したがって、高齢木で水蒸気拡散コンダクタンスが小さいのは、水ストレスによるものではないと判断された。 4.針葉の気孔頻度分布は、幼齢木では向軸側に比べて背軸側に多いのに対して、高齢木では、光があたりにくく、境界層拡散抵抗が大きい向軸側に顕著に多かった。水蒸気拡散コンダクタンスに影響を与える要因として、気孔頻度分布の違いが考えられた。 5.高齢木の針葉の光合成速度は、木部圧ポテンシャルが上昇し、水ストレスが小さくなっても、幼齢木のようには増加しなかった。これは、高齢木の場合、水ストレスがかかっていなくても水蒸気拡散コンダクタンスが小さく、ガスの拡散が制限されているために、それが、光合成の制限要因になっていると考えられた。 6.以上の結果から、スギの場合、林齢が進行し、樹高が大きくなるにともなって次第に、水蒸気拡散コンダクタンスが小さい値で維持されるようになり、そのため、次第に持っている光合成能力を十分に発揮できなくなると推測された。
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