魚類皮膚に存在する極めてユニークなスーパーオキシドディスムターゼに関する研究
Project/Area Number |
05760160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中野 俊樹 東北大学, 農学部, 助手 (10217797)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | スーパーオキシドディスムターゼ / 活性酸素 / メラニン合成 / 魚類 / 皮膚 |
Research Abstract |
1.魚類皮膚スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の分布:ヒラメおよびギンザケ皮膚のいずれにおいてもCu,Zn型とMn型の両SOD活性が認められた。さらに興味深いことに、皮膚の中でも白色部に比べ黒色部の活性が高かった。皮膚黒色部では盛んにメラニンの合成が行われていると考えられ、そのメラニンの合成には一部活性酸素が関与していると報告されている。すなわち、皮膚においてSODは単に酸素ストレスに対する防御物質として機能するだけではなく、メラニン合成の調節因子として働いていることが示唆された。 2.魚類皮膚SODの精製:(1)比較的高い活性が認められたヒラメ皮膚黒色部を用い、それより調製した粗抽出液をDEAE-Toyopearlカラムクロマトグラフィー供したところ、Cu,Zn-SOD活性は非吸着画分に、Mn-SOD活性は吸着画分にそれぞれ認められ、両酵素を良く分離することができた。さらに、非吸着画分をSuperose12HRによるFPLCで分画したところ、皮膚Cu,Zn-SODには2種のアイソマ-の存在することが明らかとなった。一般に、他生物種および組織由来のCu,Zn-SODは陰イオン交換体に吸着すると報告されており、その点皮膚SODは性質が異なっているといえる。 (2)DEAE-Toyopearl後の非吸着活性画分をSP-Toyopearlカラムクロマトグラフィーに供することで両アイソマ-を分離し、その一方について電気泳動的に均一な精製酵素標品を得ることに成功した。 3.精製SODの性状:一般にCu,Zn-SODは非常に耐熱性が高いとされているが、本SODは耐熱性に極めて乏しいことが明らかとなった。その他幾つかの性状も文献値と異なっており、これらの点については今後更に検討していく予定である。 4.以上のように絶えず水と接し最も酸素ストレスを受けやすい組織の一つと考えられる魚類の皮膚よりSODを精製・単離し、性状について検討したのは本研究が初めてと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
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