Project/Area Number |
05760185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Irrigation, drainage and rural engineering/Rural planning
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
治多 伸介 京都大学, 農学部, 助手 (60218659)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脱リン / 鉄濾材 / 嫌気性炉床法 / 農業集落排水 / 生活排水 / リン除去 |
Research Abstract |
嫌気性ろ床槽と接触曝気槽を直列に配置した実験装置を6系列用い、鉄ろ材嫌気性ろ床法でのリン除去の長期的安定化を目的とした比較実験を行った。そのうち1系列(RUN1.)は対照系列とし、通常の鉄板を用いて一般的な鉄ろ材嫌気性ろ床法の運転方法で実験を行った。他の2系列では、数か月に一度の割合で鉄板を嫌気槽から引き上げて大気中にさらし、その暴露時間に2時間(RUN2.)、24時間(RUN3.)と差をつけて実験した。別の2系列には、鉄板に銅版を接着したものをろ材として用い、鉄と胴の表面積比に約4:1(RUN4.)、約3:2(RUN5.)と差をつけて実験した。残りの1系列(RUN6.)では、一日のうち連続した3時間の曝気を行った。その結果と考察の概要は以下の通りである。1.RUN6.以外の系列では、実験開始当初にリンはあまり除去されなかったが、経時的にリン除去率は徐々に上昇した。2.RUN1.2.3.のリン除去率は、前述1.のような傾向が約1.5ケ月継続した後に安定した。しかし、その後RUN1.では、リン除去率は徐々に低下する傾向が見られたが、RUN2.3.では、そのような傾向は全く見られなかった。3.RUN4.5.のリン除去率は、今回の調査期間内では未だ上昇傾向にあり安定しなかった。その経時的な上昇速度はRUN4.の方が大きかった。4.RUN6.では、実験当初は比較的高率のリン除去が得られ、その後、除去率は一時的に低下したが、再び上昇して安定するという、鉄ろ材接触曝気法と同様の傾向が見られた。その後、除去率はやや低下傾向にあったが、この原因は生物膜の肥厚によるものと考えられた。5.以上のことから、鉄ろ材の空気暴露については、リン除去率を長期的に安定させる効果が確認できたと言えよう。しかし、その適切な時間や実施間隔についてはまだ十分に明らかでない。鉄と胴との合板ろ材の使用や一時的曝気が有効な可能性は十分にあるが、今後さらに検討が行われることが望まれる。
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