Project/Area Number |
05760197
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物環境
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
富士原 和宏 千葉大学, 園芸学部, 助手 (30211535)
|
Project Period (FY) |
1993 – 1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 植物組織培養 / CO_2濃度 / バレイショ / CO_2交換速度 / 光合成 |
Research Abstract |
本研究では、培養器内への流入空気CO_2濃度が、葉を有しない単節から葉および根を有する小植物体へと生育するまでの過程における、CO_2交換速度の時間変化に及ぼす影響を明らかにした。 材料および方法の概要 まず、培養体のCO_2交換速度の時間変化を長期間連続して調べるための通気式の培養実験装置を作成した。流入空気のCO_2濃度により、期間中350mumol・mol^<-1>一定とした区(L)、期間中1000mumol・mol^<-1>一定とした区(H)および段階的に350、700、1000mumol・mol^<-1>へと高めた区(I)の3試験区を設定した。培養体のCO_2交換速度は,富士原(1992、農業気象48(1))の方法に従い算定した。流出空気CO_2濃度は15分ごとに測定した。培養期間は20日間、供試植物はバレイショとした。 結果の概要 1日当たりのCO_2交換速度(C_d)は、すべての試験区において、培養開始4-5日目(新葉が展開し始めた時期)までは負の値となり、その後、正の値に転じた。C_dが正の値に転じた5日目以降は、I区およびH区のC_dはつねにL区のそれの2-20倍で推移した。その倍率は、培養は日数が経過するにつれて大となった。I区におけるC_dの時間変化は、流入空気CO_2濃度が700mumol・mol^<-1>であった7-14日目までの期間を除いては、H区と同様に推移した。7-14日目までの期間のそれは、I区の方がH区よりも大であった。L区のC_dは、5日目以降ほぼ横ばい状態となり、17日目以降には減少し始めた。20日間の培養体の乾物重増加量および20日間積算のC_dは、I区≧H区>C区となった。 以上より、培養体が葉を展開し始める以前において培養器への流入空気CO_2濃度を高めることはC_dを高めることに対して効果はないが、葉が展開した以降にはそれが顕著な効果をもたらすことが明かとなったとくにCO_2濃度を段階的に高めることは、C_dを高く推移させるという点で効果的であるだけでなく、CO_2ガスを有効に利用するという観点からも有効であることが示された。本研究成果は、組織培養による苗生産効率向上を目的とした培養体へのCO_2供給法の開発のためのデータとして、有用であると考える。
|