反芻家畜におけるGHおよびIGF-I分泌調節機構に関する研究
Project/Area Number |
05760207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小田 伸一 東北大学, 農学部, 助手 (60211827)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ヒツジ / GH / IGF-I / アドレナリン作動性分泌調節 |
Research Abstract |
常温環境下において飼養したヒツジを供試し、アドレナリン作動性alpha_1、alpha_2及びbeta受容体刺激薬を投与することで、アドレナリン作動性IGF-I及びGH分泌調節メカニズムの一端を解明することを目的とした。投与薬物は、生理食塩水、フェニレフリン(alpha_1刺激薬)、クロニジン(alpha_2刺激薬)、イソプロテレノール(beta刺激薬)の4種で、これらを各々頚静脈カテーテルより8時間定速連続注入し、経時的に採血を行い、血漿GH、IGF-I濃度を測定した。 【結果及び考察】常温環境下のヒツジでは、クロニジン注入によるアドレナリン作動性alpha_2刺激でGH分泌が増加した。一方、イソプロテレノール注入(beta刺激)により、GH分泌は著しく抑制された。注入中の平均血漿GH濃度は、対照で5.8±0.1ng/ml、クロニジン注入で7.1±0.3ng/ml、イソプロテレノール注入で1.7±0.1ng/mlとそれぞれ有意で変化が認められた。 IGF-I濃度変動は、フェニレフリン(alpha_1刺激)、イソプロテレノール(beta刺激)どちらの注入によっても対照と同レベルの変動であり、35ng/ml程度で推移した。一方、クロニジン注入において、IGF-I濃度は経時的に徐々に低下し、その傾向は注入停止まで続いた。注入前の平均血漿IGF-Iは、35.7±1.7ng/mlで、注入停止時では薬20ng/mlであった。 平成4年度の科研費奨励研究(A)により、寒冷環境下におけるヒツジのGH及びIGF-I分泌はアドレナリン作動性に修飾を受けており、アドレナリン作動性alpha_2作用によりGH分泌は促進、また、IGF-I分泌は抑制されることを報告している。本実験結果は、常温環境下においてもアドレリリン作動性alpha_2受容体刺激により、ヒツジのGH分泌が高進しているにもかかわらず、IGF-I分泌は抑制されるということを示している。このことは、アドレナリン作動性IGF-I分泌調節機構が、寒冷環境のみならず、常温環境下においても作動することが伺える。 今後は、アドレナリン作動性刺激薬のみならず、生理条件下の刺激と遮断薬の組合せで、これまでのアドレナリン作動性GH、IGF-I分泌調節に関する一連の研究のまとめを行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)