ウシの初代培養肝細胞を用いた急性相タンパク質の遺伝子発現・合成調節機構の解析
Project/Area Number |
05760216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森松 正美 北海道大学, 獣医学部, 助手 (70241370)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 血清タンパク質 / 急性炎症 / 肝細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
急性相タンパク質は、主に肝臓により合成・分泌され、急性炎症時に特徴的な血中動態を示しながら生体の防御・免疫機能に関与している。本研究では、ウシ肝細胞の初代培養系を確立して急性相タンパク質の合成調節機構を細胞・分子レベルで解明するための基礎を築くとともにいくつかの新知見を得ることに成功した。 1.ウシ肝細胞の初代培養の確立 (1)ウシから肝尾状葉を摘出後、コラゲナーゼを灌流して結合組織を消化し、肝細胞を分離する方法を確立した。肝摘出前にヘパリンをウシに注射して血液凝固を抑制することにより実験の再現性が向上した。また、灌流するコラゲナーゼの濃度は0.05%が、灌流時間は10〜15分間が適当であった。 (2)分離した肝細胞を培養することにより、タンパク質合成とグリコゲン分解の活性が上昇した。培養条件はラットのものを応用したが、ラットの場合と同様に、肝特異的代謝活性は培養開始後一週間で再び低下した。 2.初代培養肝細胞を用いた急性相タンパク質の合成調節機構の解析 (1)まず、ウシの急性炎症で血中に最も急激に上昇するハプトグロビン(Hp)について調べた。肝細胞の培養上清に放出されたHpを特異抗体で免疫沈降して測定した。調べた炎症性サイトカインのうち、インターロイキン6(IL-6)と腫瘍壊死因子(TNF)はHpの合成を誘導したが、IL-1では変化がなかった。特に、TNFが誘導する点は、ラット等とは異なる点であり、in vivoにおける急激な上昇と関係があるものと推察できる。 (2)急性炎症のみならず泌乳に関連して変動するC-反応性タンパク質(CRP)について、上記Hpと同様に免疫沈降実験を行った。しかし、現在までのところCRPの検出に成功していない。これについては、検出感度を上昇させるべく特異抗体の再調製を行うとともに、遺伝子発現レベルでの変化の解析を行っているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)