Project/Area Number |
05770042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福土 審 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80199249)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1993: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 脳腸相関 / 過敏性腸症候群 / 消化管運動 / 大脳機能 / 大脳誘発電位 / 消化管痛覚 / 痛覚閾値 / Balloon Distention |
Research Abstract |
消化管運動と中枢機能はお互いに影響し合っていると考えられる。しかし、その実態は人体では十分には明らかにされていなかった。この脳腸相関が重要な意味を持つ病態の代表は、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)である。IBSは日本や欧米で膨大な医療費が費やされているにもかかわらず原因が解明されていない高頻度難治性疾患であり、Sandler(1990)の報告では人口の2.9%に及ぶとされ、日本でも319万人の罹患患者が潜在すると推定される。従って、消化管運動-脳機能関連の詳細が解明されれば生理学上のインパクトが大きいだけでなく、社会的利益も極めて大きい。平成5年度科学研究費を有効に用いることによって、われわれは消化管の痛覚閾値を脳レベルで把握する方法を開発し、正常人(生理)とIBS患者(病態生理)を比較することによって、IBSでは消化管の痛覚閾値が低下しているというわれわれの仮説を検証しえた。すなわち、Synectics社製sillicon pressure transducerを経鼻的に挿入し、X線透視下で十二指腸-空腸に留置し、次にパルーンカテーテルに装着した別のtransducerを大腸内視鏡を用いてX線透視下に下行結腸-s状結腸接合部に留置した。大腸のパルーンカテーテルを米国Medsonic社製V asculabo-SPG-16に接続し、自動的かつat randomに膨張、弛緩を繰り返し、この時の大腸運動と大脳誘発電位を測定した。その結果、正常人の痛覚閾値が125±6mlであったのに対し、IBS患者のの痛覚閾値は66±8mlであり、IBS患者では統計学的に有意な痛覚閾値の低下が認められた。更に脳波において刺激開始点より潜時950-980msec後に陰性-陽性-陰性の三相性波が現れ、最大振幅は4.5-8.5muVであった。この誘発電位はIBS患者でより誘発されやすく、かつ、最大振幅も大きい傾向にあった。このように、われわれの平成5年度の課題研究は脳-腸の連係を直接明らかにしつつあり、一定の成果をおさめることができた。 われわれの一連の研究成果に対しては1994年のEarly Carrer Awara of American Psychosomatic Societyの受賞が決定し、また、1994年のAmerican Gastro-enterological AssociationのPlenary Sessionに選抜される等、国際的に高く評価されており、この研究テーマに対する科学研究費補助金の再交付が切望される。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)