食細胞特異的NADPHオキシダーゼを構成するチトクロームb_<558>に関する研究
Project/Area Number |
05770102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
住本 英樹 九州大学, 医学部, 助教授 (30179303)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | NADPHオキシダーゼ / スーパーオキシド / 食細胞 / チトクロームb_<558> / 慢性肉芽腫症 / SH3ドメイン / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
好中球等の食細胞に存在するNADPHオキシダーゼは、食作用時にに活性化され分子状酸素からスーパーオキシド(O_2^-)を生成する。O_2^-に由来する種々の活性酸素は殺菌において重要な役割をはたすが、本酵素の欠損症である慢性肉芽腫症(CGD)では幼少時より重篤な感染症を繰り返し、しばしば死に至る。NADPHオキシダーゼの活性化は、細胞質に存在する2つの因子p47及びp67(両者ともにSH3ドメインを有する)が移行して、その本体である細胞膜貫通性のチトクロームb_<558>(gp91とp22の2つのサブユニットからなる)と複合体を形成することにより引き起こされる。しかし、この複合体形成の分子機構はほとんど解っていなかった。本研究では、この複合体形成にp47のSH3ドメインを介する蛋白質-蛋白質相互作用が直接関与することを示した(PNAS,印刷中)。即ち、p47分子内でそのC末端領域によりmaskされていたSH3ドメインが活性化に伴い露出され、このunmaskされたSH3ドメインを介してp22(b_<558>の小サブユニット)細胞質領域およびp67との結合がおこり活性型複合体が形成されるというものである。これは、SH3ドメインを介する蛋白質間相互作用が酵素の活性化に直接関与ることを示した最初の例である。更に、p22細胞質領域に変異を有するCGDの1症例(156番目のプロリンがグルタミンに置換したもの)が、SH3ドメインを介するp47との蛋白質間相互作用の欠如によるものであることを明らかにした。また本研究のNADPHオキシダーゼの系では、SH3ドメインによる「分子内相互作用から分子間相互作用への変換」がおこっている。これはSH3ドメインを介した新しい情報伝達の様式であり、他の系における細胞内情報伝達機構を解明する上でも重要な意義をもつと思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)