Project/Area Number |
05770137
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮澤 正顕 東北大学, 医学部, 助手 (60167757)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | モノクローナル抗体 / 血栓性血小板減少性紫斑病 / 血小板 / 内在性レトロウイルス / gp70 |
Research Abstract |
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)は、血小板減少・溶血性貧血・腎障害を伴う原因不明の症候群で、現在まで再現性のある動物モデルがなく、その発症メカニズムは不明のままであった。我々は、ヒトの自己免疫症のモデル動物として広く用いられているMRL/lprマウスから新たに樹立した、内在性レトロウイルスenv遺伝子産物に特異的なモノクローナル抗体の中に、正常マウスへの移入によって血小板減少と全身の出血斑形成を起こす致死性のクローン36D1.1を見いだした。 このクローンのハイブリドーマ細胞を同系正常マウスに移入後経時的に静脈血を採血し、末梢血中に各血球数を調べた。その結果、細胞移入後3日目から5日目にかけて、血小板数のみが移入前に比較して有意に減少して行き、赤血球数・白血球数には有意な変化は見られなかった。一方、移入マウスの脾臓にはヘモジデリンの過剰沈着を認め、更に電子顕微鏡的に赤脾髄や肺の血管内に血小板の異常凝集像を認めた。これらin vivoの解析結果は、上記ハイブリドーマ移入マウスの体内で血小板が異常な凝集反応を起こして消費されていることを示唆した。そこで、正常マウス血漿から分離した血小板を用い、in vitroで上記ハイブリドーマの培養上清と反応させたところ、対照の抗体には見られない凝集反応を認めた。更に、分離血小板を用いた蛍光抗体法でも、上記抗体が血小板に結合することが示唆された。 この病原性ハイブリドーマの培養上清中に分泌された抗体分子は、IgGクラスに属するにも関わらずプロテインAに対する結合能が非常に弱かった。そこで、イオン交換法を用いて抗体分子を精製し、現在正常マウスへの静注移入による病変形成の有無を検討中である。
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