Project/Area Number |
05770149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
豊國 伸哉 京都大学, 医学部, 講師 (90252460)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 鉄 / 活性酸素種 / DNA損傷 / 癌遺伝子 |
Research Abstract |
ヒトにおいて体内の鉄貯蔵量増加は発癌のリスクとなることが明らかとなったため、鉄による発癌機構の分子病理学的解明をめざした。この際、中性で自由鉄でありうる鉄キレート化合物が重要となる。鉄ニトリロ三酢酸の反復投与はラット、マウスで高率に胃癌を発生させる。また、鉄クエン酸はヒトのヘモクロマトーシスにおける血中の自由鉄である。両鉄キレート化合物は本研究者らの開発したsupercoiled plasmidを使用したin vitroの系でDNAを切断し修飾塩基を生成した。この反応は、温度、還元剤、pH、鉄とキレート剤の比率に依存した。次に、鉄ニトリロ三酢酸を投与したラット腎において、ガスクロマトグラフィー/マススぺクトロメトリーによりDNA修飾塩基を検討し、癌遺伝子であるc-fos、c-junの蛋白について酵素抗体法により解析を加えた。投与後1-3hrsをピークとして、8-hydroxyguanine(8-OH-Gua)をはじめとする7種のDNA修飾塩基の増加を認めた。8-OH-GuaはG:C to T:A transversionの原因として注目されるが、生成修飾塩基の中には変異原性に関するデータがいまだ報告のないものもある。近位尿細管の変性壊死再生に伴い、修飾塩基が存在することは変異を誘発し固定するという意味において発癌過程で重要な役割を果たしていると考えられる。投与後16hrs以後再生上皮にc-fos、c-jun蛋白の増加がみられ、これらの蛋白の発癌過程への関与が示唆された。
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