Project/Area Number |
05770151
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻村 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (20227408)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | W遺伝子座 / c‐kitレセプター・チロシンキナーゼ / マスト細胞 / 突然変異 |
Research Abstract |
マウスのW遺伝子座はc‐kitセレプター・チロシンキナーゼ(KIT)をコードとしており、この遺伝子座に2個の突然変異を持つ多くのマウスでは貧血がみられメラノサイト・マスト細胞及び生殖細胞が欠損する。本研究では日本で発見された突然変異(W^<Jic>,W^n)とホモになっても生殖力を持つ突然変異(W^f,W^<sh>)のc‐kit遺伝子異常を明らかにし、ミュータントマウスの症状、特に皮膚におけるマスト細胞数との相関性を示した。1.KITはc‐kit蛋白が二量体を形成することにより機能しこの二量体形成には正常に発現したc‐kit蛋白の細胞外領域を必要とする。W^<Jic>/+マウスでは皮膚のマスト細胞数が有意に減少しており"dominant negative"表現型を示した。これはW^<Jic>突然変異がキナーゼドメインのATP結合領域の点突然変異であるため、W^<Jic>/+マウスではキナーゼ活性がないc‐kit蛋白が参画した機能のないKITが作られるからであった。2.W^n/W^nマウスは強い貧血のため生後5日以内に死亡するが、W^n/+マウスでは皮膚のマスト細胞数は減少しなかった。W^n突然変異はキナーゼドメインの点突然変異であったが、そのc‐kit蛋白はサイズが小さく細胞外に発現していないため異常なc‐kit蛋白が参画したKITは作られない。このためW^n/+マウスは症状を示さない"null"表現型をとると考えられた。3.W^f/W^fマウスが雌雄とも生殖能力を有し貧血や皮膚のマスト細胞数の減少が軽度であるのは、W^f突然変異がキナーゼ領域の点突然変異であるにも拘らずキナーゼ活性がかなりの程度保たれるからであった。4.W^<sh>/W^<sh>マウスではマスト細胞とメラノサイトを欠損するが貧血がみられず生殖力もあるのは、W^<sh>突然変異はc‐kit遺伝子の構造領域の突然変異ではなくマスト細胞においてc‐kit遺伝子の発現がみられないからであった。W^<sh>突然変異はマスト細胞とメラノサイトにおいてc‐kit遺伝子の転写を促す制御領域の異常と思われた。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)