Project/Area Number |
05770175
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久枝 一 徳島大学, 医学部・寄生虫学講座, 助手 (50243689)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 熱ショック蛋白質 / トキソプラズマ原虫 / 感染防御免疫 / 感染宿主種特異性 |
Research Abstract |
申請者は、マウスにおいてトキソプラズマ原虫感染抵抗性と、宿主マクロファージへの熱ショック蛋白質(HSP65)の発現に相関性があることを報告している。(Proc.Natl.Acac.Sci.USA,89:3155 1992)。また、感染抵抗性およびHSP65の発現にT細胞が重要な役割を果たしていることも明らかにした。ラットはマウスと異なり、トキソプラズマ感染に対して抵抗性を示すが、この抵抗性にHSP65が関与するのか否かを検討した。正常ラットはマウスにとって強い毒力を示すRH株を感染させても感染症状を示さないが、T細胞を欠如しているヌードラットはトキソプラズマ感染に感受性を示し、死に至った。これらの腹腔マクロファージ中のHSP65の発現を観察したところ、正常ラットでは強いHSP65の発現が見られ、ヌードラットではその発現がほとんど見られなかった。更に、CD4^+T細胞を先天的に欠損するLECラットにトキソプラズマ原虫を感染させると、その死亡率は、正常ラットでは0%であったのに対して、50%に昇った。腹腔マクロファージにおけるHSP65の発現は、正常ラットに比べLECラットでは著明に低下していた。これらの結果より、ラットのトキソプラズマ症においても感染抵抗性とHSP65の発現との間には密接な関係があることが示された。また、感染抵抗性およびHSP65の発現にはT細胞、特にCD4^+T細胞が重要であることが示唆された。 正常ラットに抗CD4抗体および抗CD8抗体を投与し、ほとんどのT細胞を除去してもHSP65の発現は完全に抑制されない。また、FACS解析により感染後の腹腔細胞中にCD3^+,TcR_-alphabeta^-のポピュレーションが増加していることから、HSP65の発現にこのポピュレーション、すなわち、gammadeltaT細胞の関与が示唆される。今後はHSP65の発現、および感染抵抗性におけるgammadeltaT細胞の関与について検討していく予定である。
|