Project/Area Number |
05770180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
沢辺 京子 産業医科大学, 医学部, 助手 (10215923)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | LDH / LDH阻害物質 / alpha-GPDH / Trypsin-likeプロテアーゼ / 解糖作用 / 脂肪代謝 |
Research Abstract |
1.native-PAGEを用いてLDHに対する阻害程度でLDH阻害物質の活性を間接的に判定した。この阻害物質は2種類の異なった分子量のタンパク質からなり、主に消化管の胃嚢と中腸に存在し腸管内に分泌されること、細胞内では可溶性分画中、つまりCytosolに主に分布することを明らかにした。現在のところ、低分子タンパク質はTrypsin-likeプロテアーゼであることが判明したが、高分子タンパク質については検討中である。 2.3属6種の蚊幼虫のピルビン酸-NADH系への偏り(NADH/NAD^+)とLDH阻害活性との間には非常に高い相関関係(r=0.934)があることから、Cytosol内での拮抗作用によって、乳酸-NAD^+反応系が阻害されることを示唆した。チカイエカどは、LDHが触媒する反応系は乳酸側へ偏っているが、乳酸もピルビン酸もともに蓄積していないこと、LDHとNADHを競合するalpha-グリセロリン酸(alpha-GPDH)の活性がLDHより高いことから、LDH触媒系を通らずにalpha-GPDH系によってNADH→NAD^+の反応が行われTCAサイクルへとつながるものと推察された。 3.チカイエカのメスは、蛹期まで増加し続けた中性脂肪が羽化と同時に急激に低下し、代わりにalpha-GPDHの活性が高まった。さらに、その直後の羽化1日目にはすでに卵黄の蓄積が確認されたことから、羽化直後は脂肪を燃料として卵黄形成のためのエネルギーが作り出されていると推察した。これら一連の実験結果から、チカイエカのメスは、炭水化物から脂肪へとスムーズにエネルギー転換を行うことで無吸血ステージでの卵巣発育を可能にしていると思われる。これはヒトの妊娠中のエネルギー代謝にも見られ非常に興味深いところである。
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