赤痢菌の病原性遺伝子の環境応答発現調節におけるDNA超らせん構造の役割の解析
Project/Area Number |
05770182
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
戸邊 享 (1994) 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70207596)
戸邉 亨 (1993) 東京大学, 医科研, 助手
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 赤痢菌 / ビルレンス遺伝子 / 温度依存性発現 / DNA高次構造変化 / 転写終結因子 / 転写調節 |
Research Abstract |
赤痢菌の病原性遺伝子の発現は、環境因子の変化に応答して厳密に調節されている。温度もその因子のひとつであるが、この温度による調節は、菌が保有するビルレンスプラスミド上の細胞侵入性遺伝子群の転写調節段階において行われている。本遺伝子群の正の転写調節遺伝子virBの転写活性化にはDNAの負の超らせん構造が必須であり、温度によるDNA高次構造の変化がvirB遺伝子の温度依存性発現調節に関与していることが示唆されている。本研究では、温度による発現調節がみられなくなった変異株をトランスポソン挿入変異として分離し、解析した。それより、以下の結果を得た。 1、この変異株では通常病原性のみられない30℃においても細胞侵入性が発現しており、virBの30℃における転写も活性化されていた。 2、30℃での変異株のおけるDNAの負の超らせん密度は野生株に比べ増加していた。 3、DNAgyraseの阻害剤を添加し、DNA構造をより弛緩型に変化させると、変異株での30℃におけるvirB転写活性化がみられなくなった。 4、変異は転写終結因子をコードするrho遺伝子にマップされ、野性型rho遺伝子を変異株で発現させることにより30℃でのvirBの転写が抑制された。 以上の結果から、DNA高次構造の温度による変化が、virBの温度依存性発現調節に重要な役割を担っており、この調節にRho因子が関与していることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
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