Project/Area Number |
05770210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森本 金次郎 京都大学, 薬学部, 助手 (80183664)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 狂犬病ウイルス / 細胞侵入 / 病原性 |
Research Abstract |
固定毒素の強毒株であるERA株はラク酸ナトリウム処理したマウス神経芽腫細胞(NA細胞)に感染すると、酸性pHにしなくとも細胞融合を引き起こす。そこで、ERA株と弱毒株であるHEP株において、細胞侵入機構の違いを非神経細胞由来であるBHK細胞、神経細胞由来のNA細胞及びラク酸ナトリウム処理したNA細胞を用いて調べた。 1.狂犬病ウイルス感染細胞を低いpHにさらすと激しい細胞融合を引き起こす。株や宿主細胞による融合を誘導するpH値の違いを調べた。まず宿主細胞として、BHK細胞を用いた場合ERA株HEP株とも、pH5.8以下で細胞融合を引き起こす。NA細胞を用いた場合も両株ともpH5.8以下で細胞融合を引き起こす。ラク酸ナトリム処理したNA細胞を用いると、ERA株はpH6.0で激しい細胞融合を引き起こすようになることが分かった。HEP株はpH5.8以下で細胞融合を引き起こす。 2.エンドサイトーシスを阻害する条件下でのウイルス侵入の有無。塩化アンモニウム添加による狂犬病ウイルス感染成立の濃度効果を調べた結果。ラク酸ナトリウム処理したNA細胞において、HEP株は15mM塩化アンモニウムで感染が完全に阻止されるが、ERA株では20mMで阻止され、塩化アンモニウムへの抵抗性が違うことが分かった。 3.NA細胞をラク酸ナトリウム処理すると、増殖が停止し形態は扁平化することから神経細胞への分化誘導がおこると考えていた。狂犬病ウイルスのリセプターはアセチルコリンリセプター(AChR)であるとの報告もあることから、先ずNA細胞でのAChRの存在を調べた。NA細胞をラク酸ナトリウム処理するとAChRmRNAの転写量が経時的に増加することが分かった。このことは、ラク酸ナトリウム処理したNA細胞で始めて現れる、ERA株とHEP株の挙動の違いはAChRが関与している可能性を示唆するものである。
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