抗原刺激によるB細胞のプログラム死とその抑制機構の研究
Project/Area Number |
05770229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鍔田 武志 京都大学, 医学部, 助教授 (80197756)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | Bリンパ球 / アポトーシス / プログラム死 / 腹腔B細胞 / 脾臓B細胞 / 表面免疫グロブリン / 抗原レセプター / CD40 |
Research Abstract |
我々はBリンホ-マ細胞株WEHI-231を用い、B細胞抗原CD40を介するシグナルが、抗原レセプター(表面免疫グロブリン)のクロスリンクによるB細胞のアポトーシス(プログラム死)を抑制することを見い出した。さらに、我々は、正常マウス脾臓の成熟B細胞をピオチン化抗免疫グロブリン抗体およびアビジンと共に培養して、表面免疫グロブリンを強くクロスリンクすることによりB細胞の細胞死を誘導する系を確立したが、我々は、この系にCD40からのシグナルを誘導すると表面免疫グロブリンクロスリンクによるB細胞の細胞死が抑制されることを観察し、正常B細胞のアポトーシスもCD40を介するシグナルによって抑制できることを示した。この知見は成熟B細胞が膜結合型抗原などに反応して、表面免疫グロブリンが強くクロスリンクされた際に、B細胞がアポトーシスを免れて活性化されるためには、抗原によって活性化されたヘルパーT細胞と反応し、CD40を介するシグナルを受け取る必要があることを示唆している。外来抗原はB細胞と共にT細胞を活性化するため、B細胞はT細胞によってアポトーシスからレスキューされて活性化するが、自己反応性T細胞はその分化の過程で除去、または不活性化されているために、自己反応性成熟B細胞が自己抗原と反応した場合にはアポトーシスを抑制するシグナルを受けられず死滅するものと考えられ、成熟B細胞の自己と非自己の識別にT細胞由来のCD40を介するシグナルが重要な役割を果たしているものと考えられる。 しかしながら、CD40L発現細胞の膜分画、または抗CD40抗体を抗免疫グロブリン抗体と共にマウス腹腔内に投与したが、これらの処理では抗免疫グロブリン抗体による腹腔1B細胞のアポトーシスを抑制できなかった。この点については、今後さらにCD40L遺伝子導入マウスを作製し、さらに検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)