Research Abstract |
一般的な有機溶剤に含まれる有機溶剤成分について,標準ガスを作成し,本機器と通常のガスクロマトグラフ分析装置とで同時測定を行い,クロスチェックを行った。その結果,定量下限として1ppm前後であることが確認できるとともに,実際の現場で定量分析を行うためのピーク面積を濃度に換算する「濃度換算係数」が得られた。ただし現在までのところ,現行法上作業環境の測定が義務づけられた第1種および第2種の有機溶剤成分全ての「濃度換算係数」は求められておらず,今後求める予定である。 以上の実験室的な検討を踏まえて,数カ所の作業現場で,本機器を用いて有機溶剤の測定を行うと共に,通常行われている分析方法である活性炭管捕集・ガスクロマトグラフ分析も行い,クロスチェックを行った。その結果,本機器を用いれば,一般的な有機溶剤に含まれる有機溶剤成分の管理濃度の1/10の濃度のレベルで,定量可能なことが認められた。その他の有機溶剤成分については今後調査が必要である。 現在までに現れてきた問題点としては,携帯性の面で重量が重いこと,未知検体の定性のためにはカラムの複数化が必要なこと,などが浮かび上がった。現在軽量化として,ノート型パソコンおよび充電器と本体の重量を合計すれば10kg以上であり,電池化等の工夫を行っている。
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