Project/Area Number |
05770259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
勢戸 和子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部・微生物課, 研究員 (70211323)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Vibrio mimicus / Cholera enterotoxin(CT) / CT-like toxin / Vibrio cholerae / ctx / toxR |
Research Abstract |
Vibrio cholerae01の産生するコレラエンテロトキシン(Cholera enterotoxin:CT)と免疫学的に区別できない類似の毒素(CT-like toxin:CLT)を産生するVibrio mimicusから染色体遺伝子を抽出し、CT遺伝子(ctx)との相違を調べた。当研究所でV.cholerae01 569B株からクローニングしたctxの一部をプローブにして、サザン・ハイブリダイゼーションを行ったところ、V.cholerae01 569Bでは、制限酵素EcoRI、PstIの二重切断で得られた5.1kbおよび5.4kbの2本のDNA上にctxが位置していたが、V.mimicusでは、ClaI、HincIIの二重切断で得られた1.9kbのDNAがctxプローブとハイブリッドを形成した。この1.9kbのDNA断片をクローニングしたが、塩基配列を決定するまでには至らなかった。しかしながら、コロニー・ハイブリダイゼーションでは、CTと相同性の高い易熱性毒素(LT)産生毒素原性大腸菌を検出しない条件で、CLT産生V.mimicusを検出することから、CLTとCTの相同性はDNAレベルで80%以上であると考えられる。 次に、毒素の構造遺伝子を制御している調節遺伝子について比較した。V.cholerae01では、毒素産生性や腸管定着性を調節する遺伝子としてtoxR、toxSが知られており、またこの調節システムは病原性Vibrio属に共通であるという報告もある。そこで、toxRを検出するプライマーをデザインし、PCRを行った。その結果、V.choleraeでは、CT産生性の有無にかかわらずtoxRは検出されたが、V.mimicusでは、CLT産生株においてもtoxRは検出されなかった。 V.mimicusとV.choleraeは、同定上sucrose分解性が異なるだけで非常に近縁であり、培養液中に産生される毒素量も差がないという報告もあるが、本研究の結果からは、毒素遺伝子の発現調節メカニズムに相違があり、それが臨床症状の違いにつながっていると推察される。
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