脳卒中による寝たきり、痴呆の促進要因 防止要因に関する疫学的研究-CT所見を用いた詳細な検討
Project/Area Number |
05770261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山海 知子 筑波大学, 社会医学系, 助手 (10241829)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脳卒中 / CT / 寝たきり / 痴呆 / 疫学的研究 / 予後 / 三次予防 |
Research Abstract |
長期的に循環器疾患の疫学研究を継続してきた秋田県I町(人口0.6万人)、茨城県K町(1.7万人)、茨城県I町(人口2.3万人)の3農村地域の40歳以上の住民を対象集団として、CT所見による脳卒中の病型別に生命予後、機能予後を検討した。1.1989-1992年の脳卒中全発生例は262例であった。人口千人当りの年間発生率は1.42であった。このうち、CT所見を有する症例は206例、CT実施率は78.6%であった。この206例をCT所見を中心とした分類基準によって、脳室穿破を伴う脳出血、脳室穿破を伴わない脳出血、くも膜下出血、穿通枝系脳梗塞、皮質枝脳梗塞、CT所見上異常なし、の6病型に分類したところ、順に10.8%、16.2%、16.2%、31.9%、13.2%、11.8%という割合であった。2.脳卒中発生1年後の生存率では、くも膜下出血が最も悪く、以下脳室穿破を伴う脳出血、皮質枝系脳梗塞、CT所見上異常なし、脳室穿破を伴わない脳出血、穿通枝系脳梗塞の順であった。生存例について、1年後の生活状況(機能予後)を調べたところ、回復が良好なのはくも膜下出血で92.9%の症例が歩行可能までに回復した。穿通枝系脳梗塞、脳室穿破を伴わない脳出血も比較的良好であった。一方、脳室穿破を伴う脳出血、皮質枝系脳梗塞は回復が悪かった。CT所見上異常なしも高齢者が多いため回復の悪い例がみられた。痴呆症状の出現の有無をみたところ、今回の初回発作例の検討では、70歳以上の症例に数例認められたのみであった。3.脳卒中発生後の予後と発生前の生活状況、検診所見との関連をみると、検診所見を有する症例の方が、1年後の生命予後、機能予後共によい傾向が認められた。以上の成績より、脳卒中の三次予防対策の整備と共に、一次・二次予防対策として、特に大発作(脳室穿破を伴うような大出血、皮質枝系の大梗塞)の発生を抑えることが重要である。今後そのための病型別リスクファクターの研究が必要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)