Research Abstract |
神経芽細胞腫マススクリーニング発見症例の生活の質(QOL)について自記式アンケートによる調査を行った. 対象:1981年4月から93年12月までの札幌市の6カ月神経芽細胞腫マススクリーニングによる真陽性例40例と偽陽性例80例.これらの例はすべて国立札幌病院小児科に入院して精査を受けた.93年12月までにそれぞれ38例,70例に質問票を発送した。 方法:QOLに関する質問票を作成した.内容は,身体発育,運動発達,予防接種など一般的な小児保健に関する質問が主である。これを郵送し,母親に母子手帳の記録などをもとに記入返送させた.94年1月末現在,回収率はそれぞれ約80,70%(真陽性例33例,偽陽性例50例)である. 男女別に真陽性例と偽陽性例を比較した. 結果:出生時および4,10,18,36カ月(保健所で検診が実施されている月齢)の体重については、男女とも,両群に有意差はなかった.定頸,独歩の月齢についても,男女とも,両群に有意差はなかった.手術およびその後の治療は,3歳までの身体発育,運動発達には大きな影響を与えていないものと思われる. 今後の研究:予防接種・感染症などの事項については,今後解析を実施する。また,マンパワーと資金の制約から,今年度実施できたのは神経芽細胞腫マススクリーニング発見症例に対する調査のみであった.次年度には,この結果を踏まえて,白血病患児の生活の質について調査する予定である.
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