ビタミンA(レチノイド)摂取の重要性:肺癌のリスクファクターとして
Project/Area Number |
05770277
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
薄田 康弘 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70240942)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ビタミンA / 肺腫瘍 / 腫瘍抑制 |
Research Abstract |
本年度は、ビタミンA(VitA)欠乏食による肺腫瘍発生モデルを作成した。A/Jマウス(♂3wk)を、VitA欠乏食と普通食に分けて飼育し、4週後に4-nitroquinoline 1-oxide(4NQO)を20mg/kg/bw皮下投与した。26週後に解培し肺腫瘍を組織学的に検討した。4NQO投与群では20例全例に多発する腫瘍を認め、4NQO非投与群の各1例に比べ有意に高い腫瘍発生をみた。腫瘍数は、VitA欠乏食群(32.7)が普通食群(23.0)に比べ有意に(Wilcoxon検定;p<0.01)高かった。腫瘍径も欠乏食群の方が大きく、組織学的に核異型が強く腺癌様の構造をとる腫瘍の発生率は欠乏食群で有意に高かった。この結果は、VitAによる腫瘍発生抑制効果と考えられた。機序として、(1)肝或いは肺局所での4NQO代謝の変動、(2)細胞増殖の亢進、(3)細胞接着の変化について検討した。(2):VitA欠乏状態での、肺胞上皮の細胞増殖能をBrdU免疫染色により検討した。4NQO投与後72時間のBrdU陽性細胞率は、欠乏食群で0.72%、普通食群で0.46%と欠乏食群で有意に細胞増殖の亢進を認めた。Nick endolabelling法を用いたapoptosisの検討では有意差はでなかった。(3):接着因子であるcell abhesion moleculeを免疫染色で検討したが両群間で差は認めなかった。(1):4NQOの代謝と無関係なA/Jマウスの自然発生肺腫瘍にもVitA欠乏の効果がでるかSPF動物を長期飼育して検討中である。現在40週齢で発生腫瘍数に有意差は出ていない。発癌機構:DNA付加体を^<32>p-postlabeling法で検討した。これと癌遺伝子の変異との相関を検討中だが、免疫組織化学法を用いた癌遺伝子の検出では感度が悪く、今後PCR-SSCP法に変更して検討する。肝組織中、血清中のVitA濃度をHPLCを用いて測定し、欠乏食群では肝VitA貯蔵量が測定感度以下に著減していること、その状態でも死線期まで血清VitA濃度は代償的に保たれていることを明らかにし、今回は微量で測定不能だった肺組織中のVitA含量を今後検討していく。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)