Research Abstract |
愛媛県健康増進センターの協力を得て,同センターを受診した40歳以上の者772名を対象とし,運動習慣,以前の運動状況,飲食,喫煙,身長計測,臨床検査結果,体力テスト結果,食生活に関する情報を入手した.体力総合水準19点以下(462名)と20点以上(310名)の2群間で食生活状況の比較を行った.体力水準が高い群では牛乳,砂糖を使った料理,野菜を多く摂取し,指の少ない肉を好む傾向がみられ,体力水準の低い群では塩さけ,塩辛,漬物,塩分を多く取る傾向がみられた.食生活に関する項目のうち,牛乳・乳製品の摂取状況,野菜の摂取状況と主要観察項目の関係を見ると,牛乳・乳製品を多く取る群では日常の運動,現在の運動をする者が多く,気分転換がすぐにできる傾向にあり,また,野菜を多く食べ,たばこの量は少なかった.また,この群では血糖値の高い者や高血圧者が少なかった.魚・肉を多く摂取する者は,野菜を多く取り塩分摂取量も多かった.野菜を多く摂取する群では運動する者が多く,肉・魚および塩分の摂取量が多いが,喫煙者は少なかった.食塩摂取量が多い群では運動する者が少ない,コレステロール値が低かった. 以上の結果より,食品摂取状況と体力とは密接な関係があることがわかった.また,食品摂取状況は運動習慣及び成人病危険因子とも深い関係があり,運動と食生活の両面から生活習慣の改善を図れば,より一層の効果が期待できることが示唆された.
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