Project/Area Number |
05770282
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 雅彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20256390)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | メタロチオネイン / フリーラジカル / 脂質過酸化 / 生体防御 / 毒性軽減 / 亜鉛 / 四塩化炭素 / メナジオン |
Research Abstract |
金属結合蛋白質、メタロチオネイン(MT)がin vitroにおいてフリーラジカル除去作用を有することが報告されているが、生体内でのフリーラジカル防御因子としてのMTの役割については未だ明確にされていない。そこで、本研究において、組織中でのMT濃度の上昇がフリーラジカル誘起物質の毒性に及ぼす影響を調べ、生体内におけるMTのフリーラジカル除去因子としての意義を用いて検討した。 1.フリーラジカル誘起物質の致死毒性に対するMT誘導剤前投与の効果 致死量の四塩化炭素、メナジオン、パラコート、セファロリジン、アドアリマイシンおよびブレオマイシンをそれぞれ腹腔内投与したマウスにMT誘導剤である硫酸亜鉛(200mumol/kg)をこれらの薬物投与2日前から1日1回、2日間皮下投与することによって、四塩化炭素で43%、メナジオンで86%、パラコートで86%、セファロジンで71%、アドリアマイシンで57%およびブレオマイシンで71%の生存率が得られた。 2.フリーラジカル誘起物質の肝毒性に対するMT前誘導の効果 予め様々な投与量の硫酸亜鉛(10mumol/kg〜200mumol/kg)を皮下投与して肝臓中のMT濃度を増加させることにより、四塩化炭素(10mmol/kg)およびメナジオン(350mumol/kg)投与で認められる血清GPT活性の上昇並びに肝臓中での過酸化脂質量の増加が共に著しく抑制された。しかも、この時の毒性軽減効果は肝臓中のMTの増加量に依存して得られることが見出された。 以上の結果より、予め生体内でMTを誘導合成することによって、多くのフリーラジカル誘起物質の致死毒性や四塩化炭素およびメナジオンの肝毒性が見事に軽減それることが明らかにとなった。また、肝臓中のMTの増加量に依存して脂質過酸化抑制効果を示すことも判明した。このように生体内において、MTはフリーラジカル生成に伴う脂質過酸化反応に対する防御因子として重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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