二段階PCRを利用した毛髪毛幹部からのHLA-DNAタイピングに関する研究
Project/Area Number |
05770298
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
打樋 利英子 名古屋大学, 医学部, 助手 (20223571)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1993: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | HLA / Semi-nested PCR / Sequence-specific OligonucleotideProbe / Hair Shaft |
Research Abstract |
近年のPCR法の開発により、毛髪からのDNAを利用した各種遺伝マーカーの判定が可能となり、私はこれまでにHLAクラスII遺伝子型の判定を毛髪に応用し、抜去毛の毛根部からの型判定、及び毛髪中のメラニンによるPCR反応の阻害を報告した。HLAクラスII遺伝子は多型性に富んだ遺伝マーカーであり、毛髪特に毛幹部に応用できるならば、毛髪資料が個人識別に大きく寄与することは確実である。しかしながら、毛幹部に含まれるDNAは微量であるため、本研究では、効率的なDNAの抽出法の検討や、高感度PCR法の応用を行なった。毛髪特に毛幹部に含まれるDNA量は極めて微量であり、さらに抽出段階で混入するメラニンによるPCR反応の阻害が無視できないことから、充分量かつ高純度のDNAを効率よく回収する抽出法の検討を行なったところ、フィルター付遠心チューブを用いることにより、従来のフェノール抽出法に比べメラニンをかなり除去することができた。この方法は短時間にかつ簡便に行なうことができるので、有効な抽出精製法と考えられる。こうして抽出したDNAから、HLA-DQA1遺伝子の第二エクソン部分をPCR法により選択的に増幅した。毛幹部より抽出したDNAは微量であるため、通常のPCR法よりも格段に増幅感度の高いsemi-nested PCR法を採用したところ、毛幹部から充分量の増幅産物が得られ、型判定も可能となった。このPCR法は他のHLAクラスII遺伝子にも応用が可能であり、他の法医資料や考古学的資料からのDNAタイピングに有用である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)